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あらすじ
「ここでなら、なりたい自分でいられる気がするから――」
とある「事件」からクラスで浮いていた赤沢公親は、ある夜、深窓の令嬢然としたクラスメイト、野添瑞希とコンビニで遭遇する。
ばっちりキメたギャル姿の彼女と。
学校でのイメージと大きく異なる瑞希。周りから求められる“清楚な自分”ではないことを気にする瑞希だったが、「好きな服を着ることは正しい」と公親が肯定したことからふたりの奇妙な関係がはじまる。たまにコンビニで瑞希と過ごす穏やかなひと時。そんな誰にも言えないふたりきりの秘密の時間が心地よく――。
普通でありたい公親とギャルになりたい瑞希の、穏やかな恋の物語が幕を開ける。
おすすめ度：★★★★★
感想
夜8時のコンビニのイートインスペースから始まる二人の「なりたい自分」になるための物語。
物事の判断基準が”くるっている”主人公は『普通』に憧れ…
周囲が”いい子”としての自分を求められるヒロインは『特別』に憧れ…
そんな二人が秘密の”夜”を重ねることでそれぞれの目指す「なりたい自分」を見つけ、一歩ずつ進んでいく姿がいい感じ。
もちろんそこに至るために思い悩むも、それぞれがそれぞれをフォローしあうのもいい関係だと。
今のどころラブコメとしての”恋愛感情”を持っているのはヒロインだけだが、主人公も少なからずヒロインのことを”特別”だと思っているので今後に期待。
徐々に近づいていく距離感と、ヒロインの押しの強さと主人公が絡んだときの考えなしの行動（ポンコツ）がとてもかわいい。
そしてヒロインのように”周囲”から自分のイメージを押し付けられている人にとって本作の主人公の言葉は強みになると思います。
まずはクラス内の関係が変わることになった今巻だが、次巻以降どのような展開が待っているのかとても楽しみです。
