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あらすじ
あなたを好きになって、良かった――。ひげひろ外伝、完結!
両想いを確認し合った後藤と吉田。2人の前に大学生になった沙優が現れた。
ようやく結ばれる寸前の後藤への想いが日増しに強くなるのと同時に、吉田は以前より大人びた沙優にどこか欠けたピースが埋まるような安心感もおぼえてしまって……。
そんなタイミングで後藤が仙台支部へと転勤することに。
「私はすべての選択肢の中から、私を選んでほしいだけ」
「吉田君は……誰と一緒に、変わっていきたい?」
何年も片想いし続けた憧れの上司と、家族のように慈しんだ大切な女の子。
2人の想いと自分の気持ちに向き合った吉田が選ぶ運命の行先は――。
おすすめ度:★★★★
感想
上巻より1年5か月の時を経て、新しいジャンルとして確立した『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』シリーズ完結。
まずは本編を完結してなお、本シリーズのキャラクターたちと寄り添い、シリーズの完結おめでとうございます。
本編、ないしは年齢差のラブコメが好きな方、また、本編の吉田と沙優の成長だけでいいという方はあまりおススメはできませんが、沙優と出会い、様々な人の力を借り、後押しされ成長した吉田の姿を見たいという人は是非読んでください。
ジャンルもラブコメというよりも現代ドラマのほうがしっくりくる。
結局最後まで受け身で、いろいろ言い訳を考えて”変わったように見えていて成長してない”二人にずっともやもやさせられていましたが、そんな姿も二人らしくてそういう恋愛もあるというのも一つの感想。
前の巻のラストでは”いつか”の再現で沙優と再会し、今巻ではどのような動きを見せてくれるのか楽しみな一面も。
もちろん、吉田の性格が『自分の中で決めた順番をブレさせない』というのもあり、なかなか難しい勝負だと思っていましたが…
ある意味順当な立ち回りをしてくれた沙優。
本編から成長し、強く本当に強く成長した彼女の姿を見られただけでも読む価値あり。
そして、土壇場でも煮え切らない吉田に対して様々な”言葉”や”行動”によってようやく『前に進む』覚悟が決まる姿は本当にらしい。
エピローグではそれぞれの関係の変化が語られますが、一番来たのはやはりラストの”引っ越し”ですね。
就職し、沙優と出会い同居し、また一人になり、後藤さんとの関係を先に進めた、ある意味本シリーズのすべてが詰まった部屋との別れ。
その前にも沙優が”思い出の場所”として訪れていました。
この”部屋”との別れこそ本シリーズとの”別れ”なのだと思います。
吉田自身は新たな場所でまた様々な経験や時間を過ごしていくのでしょうが、本シリーズとしてはここで一区切り…
あの”部屋”に対して吉田と沙優は何を思って去ったのでしょうね。
とても”らしい”ラストだと思いますので、一人でも多くの人に読んでもらいたいです。
次回作も楽しみにしています。
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