わたし、二番目の彼女でいいから。2

ラノベ

こんにちは♪

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あらすじ

俺と早坂さんは、互いに一番好きな人がいながら「二番目」同士で付き合っている。そして本命だったはずの橘さんまでが「二番目」となったとき、危険で不純で不健全なこの恋は、もう、落としどころを見つけられない。


おススメ度:★★★★★


 前の巻のラストで、桐島の本命であるはずの橘さんから衝撃の発言をされ、戸惑う桐島だが立ち止まることは状況が許してくれず、刻一刻と変わっていく橘さんと早坂さんの距離感。

 婚約者や親のことを考え、自身の想いに蓋をして、学生時代だけのとても楽しい『思い出』にしようと割り切った考えで桐島に迫る橘さんと、

 先輩から桐島へと「1番目」が変り、1巻よりさらに暗く重くなり、関係性をより深いものにしようと修復不可能なまでに歪んでいく早坂さん。

 そして、そんな2人に挟まれた桐島の出した『答え』はとても消極的で、八方美人になりたい「高校卒業まで今の関係を継続する」という、なんとも消極的で、2人の協力と人の想いの強さを配慮しない選択。

 複雑に絡み合い、歪んだ関係は文化祭という熱に煽られさらに混迷を期することに…

 1巻以上に泥沼へと沈んでいく登場人物達の想いを描く完全シリアス展開のラブコメの2巻も衝撃のラストで終わり、いったいどこへ向かっていくのか…

 そして1巻以上に衝撃を与えるラストまで続く恋の駆け引きは必見です!!!

 1巻で自分の気持ちを伝え、それでも桐島を『選んだ』橘さんですが、元々桐島との約束を守り続けてきた結果恋愛に対してとても初心だが、それでもしっかりと桐島に対してアプローチを続ける橘さん。

 桐島のために心に蓋をし、溢れる想いをコントロールしている姿も見えとても健気に感じるが、言葉巧みに桐島を自分の土俵へと上げ、自分との仲を進展させようと工夫するも、返り討ちに合う姿は可愛いところがある。

 しかし、いくら感情のコントロールがうまいといっても桐島はそれに甘え、まかせっきりにしたことによってある暴走の引き金に…

 桐島の考えもわかりますし、それに従う橘さんの想いもわかりますが、結局桐島は『選ぶ』ことを放棄し、さらに本来ケアしなければいけない場面であっても自らの保身を考え、理屈を並べて逃げていることには変わりませんし、早坂さんのヘイトコントロールを任せているいじょう何かしらの恩恵を与えてもいいと思いましたが、現実でそのような行動を取れる人はいったいどのくらいいるのでしょうか?

 最終的にはどちらかを選び、どちらかを傷つけてしまう結果になるのは初めからわかっていたことですし、その覚悟もあったはず。

 しかし、橘さんの想いを知り、早坂さんが崩壊する姿を見せられ、さらには仲のいい先輩との関係も崩したくないと自分が最も傷つかない方法は、確かに本作で桐島が考えてる方法が一番の方法だと思います。

 それを感覚的に悟っている橘さんがうまくふるまうことで表面上は穏やかな空気を作りだしているように見えているだけの張りぼてだということが終盤の彼女の暴走からよくわかります。

 逆に、だれにも悟られず、よく自分が望む形に持っていたっと脱帽するレベルです。

一方今巻の早坂さんのほうは橘さんの行動によってどんどん深みにはまっていっています。

 1巻の時点で結構壊れていたのに、今巻ではそれに輪をかけて壊れていく様がとても痛々しく、しかし美しく描かれています。

 1巻の時点ではクラスの中でもうまく立ち振る舞っていたのが、今巻ではとうとう周りが見えなくなり、桐島に対して様々な方法で『見捨てられない』ように行動を開始します。

 もともとの「1番」が「1番」でなくなり、「2番」が繰り上がったことが確定した状態で、どのように取り繕おうとも取り繕う場所がなくなってしまい、縋りつく場所が桐島のそばだけという状態に…

 橘さんほど器用でもないのでもはや自分の本心からも目を背けられず、けれども最初の『2番』という意識のみが残っているせいで思っている以上にヤバい方向に。

 重く、深くなっていく愛がこの先どのような事態を引き起こすのか楽しみです。

 1巻以上に泥沼化が進む2巻。そしてラストの衝撃展開。

 シリアス一直線に、リアリティがとてもある作品なので、是非手に取ってもらえると嬉しいです。

 そして、ラストを読めばきっと次の巻が気になってくるはず!!!

わたし、二番目の彼女でいいから。

わたし、二番目の彼女でいいから。3

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