ネトゲの嫁が人気アイドルだった 3

オーバーラップ文庫

こんにちは♪

本日の一冊はこちら(*’▽’)

あらすじ

夏休みを水樹家で過ごす俺、綾小路和斗は父の連絡で一度帰宅することに。だが当の父はいなかった。代わりにいたのは、夏だというのに着る毛布で全身を包んだ女の子。聞けば彼女は義妹で!? そんな彼女を凛香に紹介することになり…… 「小森梨鈴。この子は私と同じ、スター☆まいんずのメンバーよ」なんと衝撃の事実が判明! しかし尊敬する凛香の『ネトゲで結婚=現実でも夫婦』という考えに納得できない梨鈴は、凛香に反発してしまい……。「ネトゲは、所詮ゲーム」「私たちの世界を、否定することは許さないわ」果たして夫婦(仮)の絆は義妹に認めてもらえるのかーー!?


おススメ度:★★★★


 クローゼットで一晩を過ごすとかいう若干ホラー展開から始まる今巻とう展開からちょっとぞっとしましたが、その後の展開については素晴らしく、特に主人公である和斗の成長が見て取れるいい一冊でした。

 今巻ではさらに新キャラとして和斗に義妹が登場したことで凜香の嫉妬は加速し、、、

 「ネトゲで結婚=現実でも夫婦」という言葉の意味もまた今巻で回収。

 新たな人間関係や、人としての本音、相手を気遣うということ、様々な成長や関係が構築されるとてもいい巻でした。

 なお、父親との関係を改善しようと一歩前に踏み出そうとしたにも関わらず、出鼻をくじかれ、結局進展がなかったのは父親が悪いとしか言いようがない展開…

 そのあとも義妹に振り回されるとことで話題にも上がらなかったのはしょうがないですね。

義妹との距離から見える和斗の変化

 家に帰ったら突如そこにいるはずがない人がいて、しかもその人が自分の義理の家族になったと聞かされて困惑しない人はいないと思いますし、作中の和斗には同情もします。

 本作の初めのころの和斗ならそんな義理の家族ができても不干渉を決め込み、部屋でゲームをして家族としての仲を深めようとはしなかったと思います。

 しかし、凜香と関り、水樹家で凜香の家族と過ごし、”家族”というものに触れたことで、義妹との距離を縮めようと行動を開始するところですでに成長した姿が見て取れます。

 そして重要な義妹の対応ですが…超塩対応どころか、関係を結ぼうとしないところを見ると、当初の和斗の様子に似ています。

 そこから徐々に心を開き、共通の話題を見つけ・作ることでその距離を縮めていく姿を見てると本当に成長したと思いますし、その後も凜香や乃々愛も交えて全員の距離感も考えながら行動する姿は素晴らしいの一言。

 今巻で登場した義妹の距離感は本当に当初の和斗を彷彿とさせ、今までの彼の距離感をダイジェストで見れているよう。

アイドルに対する凜香の想いと和斗の信頼

 もう一つの成長という点ではやはり和斗の凜香に対する想いですね。

 凜香にとってのアイドル活動というものがどういうもので、そこからネトゲを通じて和斗と交流し、現在に至るまでの想いも今回露見し、その生来のストイックさと心の弱さに不安を見せることも。

 周囲が凜香に対して心配やセーブすることを諭す中、一番彼女を止めなければいけない立場の和斗は凜香の言葉を信じて止めるようなことは一切ありませんでした。

 なぜ止めないのかという理由についてもしっかりした考えを持っており、凜香のことをそれほど愛するようになり、そのことについて躊躇しないという部分もまた成長という部分につながります。

 アイドルという人目に付く活動をしているいじょう一定数のアンチは存在するでしょうし、インターネットによって一方的に守られた心無い言葉もあるでしょうが、そんな彼女を支え、どこまでも一緒に堕ちていく”覚悟”を決めた和斗ですが、そのような覚悟を持つまでにどれほどの苦難があったかはかり知れません。

 ですが、その覚悟を持ち、今までは一方的に引っ張られる立場から、凜香と共に歩むことになったという精神的にも大きな成長を遂げた和斗の今後に大いに期待したいです。

 凜香や新キャラとのやり取りはもちろん良かったのですが、どれだけ言ってもやはり乃々愛ちゃんという天使にはかなわない…

 ああいう小さい子供の純粋さってどのような作品でもいいですね。

 基本的に和斗に甘える姿が目立つ乃々愛ちゃんですが、今巻でも可愛い行動を多数取ってくれるので今後の登場にも期待です。

 今巻で夏休みも終わり、新たな学期に進むわけですが、この夏で成長した和斗は学校ではどうなるのか?そして、当初から問題があった父親との確執もどうなっていくのか気になるところ。

 そういえば、和斗の父親が義妹を引き取ったのはわかりますが、再婚?彼女の本来の両親は?今回あまり話題に上がっていなかったのでそこも気になりますね。

 新キャラも増え、気になることも増えましたが、学校でイベントの多くなる2学期も楽しみにしています。

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