娘のままじゃ、お嫁さんになれない!2 

ラノベ

 こんにちは♪

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あらすじ

「さっくん。ちょっとそこに座りなさい」
 見取桜人、26歳、独身、高校教師。……お年頃な娘を持つ一児の父。
 冒険家だった祖父の忘れ形見、星咲藍良を娘として引き取ってから春が過ぎた。
 銀髪碧眼の見た目で、高校で孤立していた藍良も、元カノの妹で同級生の泉水流梨のおかげで、どうにか楽しい学園生活を送っているようだ。
 そして、同居生活が始まってから、初めて過ごすGW。約束していた二人きりのキャンプに出掛けたのだが、
「私……裸で、さっくんの抱き枕になる」
 娘のままじゃいられない藍良からの猛烈アピール攻撃が桜人を襲う――!?
 親と娘、先生と生徒、近くて遠い関係が織りなす年の差ラブコメ、第2篇!


おススメ度:★★★★★


感想


 とりあえず、キャンプいいですね!!!

 昨今流行っているキャンプブームですが、自分はデイキャンかみんなで集まってBBQくらいなので泊りはしてないのですが、どこかのタイミングでやってみたいですね。そんな風に思える作品。

 将来藍良と共に彼女の出自を探す”冒険”をする約束を果たすべく、まずは手堅くキャンプを行うという流れで、1巻の時も河川でキャンプをしていましたが、今回は普通のキャンプ場。

 いつもと違う環境・場所で羽を伸ばして過ごす二人だが、桜人の致命的な欠点が牙をむく。

 ”娘”に頼ってばかりではいけないと意地を張る桜人とすべてを抱擁するように”弱さを見せてほしい”藍良。

 何とも言えない距離感の2人がお互いをカバーしあいながら過ごす日常が尊く、藍良の献身がすごく、2人の距離が縮まる2巻。

”家族”として、”親子”?・”夫婦”?


 祖父が亡くなったことにより里親として藍良を引き取り、”親”としての責任を果たそうと一生懸命になる桜人。

 一方、昔の約束を胸に、一途であり続け将来”お嫁さん”になるために奔走する藍良。

 ”家族”としての意味は同じでも目指しているところが違う2人が織りなす絶妙な距離感はいいのですが、 正直”衣”・”食”・”住”のうち”食”と”住”の大半を藍良に握られているような状態で、すでに藍良に手綱を握られているのですが…

 それでも一緒に暮らしていくには”親”として過ごすしかない桜人の必死に取り繕う姿は立派な”父親”だと思いますし、藍良に対する想いもそういう風にしようと意識しているのはわかりますが、頑張っていると思います。

 ”親”として”子供”に弱いところを見せたくないという意地はよくわかりますが、せっかくの”家族”。しかも『弱みを見せてもいい』場所なんて欲しくてもなかなか手に入らない場所があるのだから…

 今巻ではキャンプや桜との”トラウマ”を通して二人の絆が深まり、”家族”として一歩前進したといってもいいかもしれません。

 確かに藍良と”冒険”に行くためには彼の”トラウマ”の克服は必須かもしれませんが、せっかくの家族なのだから一歩一歩二人三脚で改善へ向かってもらいたい。

”大人”とは、”恋”とは


 桜人の元カノ襲来!!!

 二人の元に突如桜人の元カノ襲来、、、藍良としては過去とは言え桜人と共にいた人物に興味がないはずもなく、かわいく嫉妬する姿が。

 そして彼女がもたらしたのが桜人が藍良とどのように接するかという問い。

 桜人自身は愛羅の”親”として接するよう心掛けているが、彼女には愛羅の気持ちが痛いほどわかるようで、その胸の内を語りますが、キャラに似合わずシリアスな場面が続き、彼女がどれほど桜人のことを思っていたか(いるか)がわかります。

 彼女の言では「大人になるときっていうのは、子どもに戻りたいと初めて思ったとき」…

 確かに子供のころは無邪気に万能感に怖いもの知らずでいろんなところに駆け回り、様々なことが体験できたと思いますが、それが年齢を重ねるにつれて世間の目やルールに縛られ、いつしか挑戦自体をやめたと思いますし、リスクを考えて行動するようにもなったと思います。

 たびたび出てくるこの”子供”と”大人”の境界線についての答えは千差万別で皆さんの中に異なる答えがあると思います。

 実際愛羅がこの話を聞いた時にどう思ったのかはわかりませんが、一つの契機になったことは間違えないと思います。

 そして同時に桜人に対して”恋”について諭していくのも印象的でした。

 実際に”恋”というものをしたことが無い人間なのでどういうものなのかわかりませんし、ここで語られている内容もそうなんだという”知識”だけなのですが、皆さんはどういう状態が”恋”だと感じますか?

 その人と一緒にいて幸せを感じるとき?

 その人のことが頭から離れず常に考えている状態?

 きっとこれに対しても明確な答えはないと思いますが、そういうものを感じることができたならその感情を大切にしたいですね。

最後に


 祭里の襲来によって藍良との関係を考えさせられ、また、藍良の登校拒否の本当の理由を知った桜人。

 藍良との関係について疑問を得るも一旦は落ち着いて自分の気持ちに気づいてもらいたいが、そもそも自ら気づかなくても藍良の猛攻の前に桜人のなけなしの理性は勝てるのか?

 トラウマ克服という名のもうアプローチが始まり次巻以降そのアプローチがどのように実を結ぶのか、そしてその結果二人の関係がどのように変化していくのかとても楽しみです。

 日常のほのぼのさとシリアスのバランスが良く、二人の地味な攻防も楽し作品です。

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