最強にウザい彼女の、明日から使えるマウント教室

ガガガ文庫

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あらすじ

「マウンティング!」それは、古代より伝わる最強の格付け方法である。
上流階級の子息が集まる私立鷺ノ宮学園には、絶対のルールが存在する。
それは、マウントを取って勝ち上がること! ザ・一般人の佐藤零は、このままでは最下位クラス確定。お金持ちに虐げられる3年間を送ることに。生き残るにはSクラスに上がるしかない。
愕然とする彼の前に、突然現れた見知らぬ美少女。月並千里は、いきなりキスして言う。
「幸せマウントを取るため、私と恋人になって!」「なんで!?」
最強にウザい彼女と手を組んで、学園の頂点を目指せ!
小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。ドタバタ展開てんこ盛り、新時代エンタメをとくと見よ!


おすすめ度:★★★★


感想


 やっていることは本当にばかばかしいのに、それに対してとても真剣に取り組んでいる様子が本当に面白い。

 正直途中何言っているかわからなかったし、何なら『バカテス』や『ポケモン』みたいなバトルにもなっていたので、今後の展開も面白そう。

 ギャグの要素がとても強いため、笑える作品が読みたい人にとてもおすすめです。

 簡単に言ってしまうと、やっていることはバカテスの『召喚戦争』と同じ感じで、あちらは”学力”で対決していたのを本作では”マウント”の取り合い…ストレスの掛け合いによって勝負していくというもの。

 戦闘する際にポケモンのように様々な”タイプ”や”相性”という説明が出てきますが、そんなもの覚える必要も理解する必要もないです!!!

 どうでもいいのでようは相手をどれだけイライラさせ、マウントを取ることができるかどうかという一点を突き詰めた作品。

 そんな殺伐?としてそうな作品の主人公はこれまた真逆の性質を持った人外無垢なキャラクター…

 流れに身を任せていたらあれよあれよとよくわからない戦いに身を投じられ、これまた頭のおかしいマウントモンスターのヒロインにつかまって彼女がマウントを取るためだけにいいように行動させられるというかわいそうな少年…

 本作に基本的に常識人枠は無いので、本当に頭をからっぽにして読むことができます。

 最後の展開では三角(四角?)関係にもつれ込みつつ、無自覚に周囲に対してマウントを取る行動をしつつ、舞台となる学園の学園長にさえ喧嘩を売るというこういう作品らしいラストで、彼の今後のストレスがどうなってくるのか楽しみな部分。

 初刊ですらとてつもなく濃いキャラが多い中で今後どれほど増えていくのか…

 本作を読むうえで一つ注意があり、マウントを取り合うということでイライラするセリフ回しや、自分に当てはめてしまうセリフなどがあり、ダメージが入ることがあると思いますので、そこは創作ということで感情移入しないでギャグとして流すスルースキルが必要かと。

 作中のキャラクターたちが馬鹿をやっている様子をはたから笑いながら読む分にはとてもいい作品です。

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