箱入りお嬢様と庶民な俺のやりたい100のこと その2.

HJ文庫

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あらすじ

無事に貴煌帝学院に入学し、財閥のお嬢様・純奈と恋人になった庶民の少年・勇輝。上流階級の生徒ばかりな学院生活は驚く事も多いが、勇輝は持ち前の行動力で純奈との日々を楽しんでいた。
そんなある日、一学期最初のダンスパーティでオープニングワルツを踊った男女は永遠に結ばれる。そんな伝説を二人は聞いて――
「「――ファーストダンスをあなた/君と」」
勇輝と純奈は新たな『やりたいこと』のため、手を取り合って動き出す!!
恋人になった庶民とお嬢様の身分差ラブコメ第2弾!!


おすすめ度:★★★★


感想


 無事入学でき、純奈と恋人になることができた勇輝。

 そして1巻で明かされる純奈の学校での立場から大衆の面前でやらかした二人。

 どんな波乱万丈な学園生活になるのかと楽しみにしていた2巻でした。

 上級国民の子供が通い、それぞれの家の事情も踏まえて生活する学園生活、そこに突如カーストトップである純奈の”恋人”として現れた”庶民”の登場に普通なら何かしらあると思うのが常だと思っていたのですが…

 ふたを開けてみれば特に何事もなく周囲に溶け込む勇輝とそれについて回るコガモのような純奈という構図が出来上がってた…

 おたがいのたちばを子供ながらにわかっているからこそ手が出しずらいというのも、もちろんあると思いますが、勇輝の人となりがそれを可能にしたのか、それとも本作に隠されている”血筋”がそうさせているのか。

 1巻での課題は主席合格という”知”を問われる問題だったのが、今巻ではダンスパーティーの最初を飾るダンスを踊るという”身体”の面が重視される課題。

 短期間での課題ということで、練習量だけでなく、質や個人の資質ももちろん問われる今回の件ですが、たびたび出てくる「中学の体育の成績」の話っているか?とその部分は結構疑問。

 練習量に関しては元々首席で合格するためにできる限りの時間を使っていたので、それを練習時間に充てればいいということで納得。

 質に関してはもはや疑いようがない人材が周囲を固めているので心配する必要がそもそもない。

 個人の資質に関してはまだまだ明かされていない部分が多く、不明な部分が多々ありますが、1巻の時点で何かしらあるというのが予想できたのでこれに関しても特に心配する必要が無いという、至れり尽くせりの状態。

 そこになぜか並び立ててくる「中学の成績」…

 いや、高校生になったばかりだからわからなくもないけど…

 作中に何度か登場し、さらにそれが”出来る”根拠になっているので何とも言いずらい心境に…

 最終的にはお家騒動に巻き込まれたりと、厄介な感じになっていましたが、概ね成功という順調な立ち上がり。

 友好関係も一気に拡大したことで周囲の関係性や今後の影響などもどうなるのか楽しみです。

 個人的には”表”である勇輝と純奈のラブコメは温かい目で見てればいいのですが、本作に隠された”裏”に興味があります。

 今巻でさらに複雑になった勇輝の”出自”。

 純奈の生家である天光院家の闇も徐々にあらわになり、さらに勇輝の母親についてもいくつかの予想が…

 作中で純奈の母親との顔合わせで登場するとある『キーワード』を調べるとそこに隠された”想い”もわかるかもしれません。

 まぁ、作中に登場させる”小物”が”意味”を持たないことが少ないですし、重要な場面であればあるほどその”意味”は強くなると思います。

 すべての”真実”が明らかになるのはいつなのかも併せて楽しみな作品です。

箱入りお嬢様と庶民な俺のやりたい100のこと その1.

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