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あらすじ
昨日の敵は、今日の妻。夫婦として生きる異能力者達の甘々ホームコメディ!
「……大っ嫌い!」
「奇遇だな。おれもだ」
かつて敵対する異能力者の組織に属し、反目し合う目的のために抗争を繰り広げていた二人。
《羽根狩り》の異名を持つ犀川狼士(さいがわろうし)と、《白魔》と呼ばれる最強の異能力者・柳良律花(なぎらりつか)。
血で血を洗う毎日を過ごし、まともな社会経験のない二人だったが……
「ろうくん、大好きっ」
「俺もだよ、律花」
組織解散後はなぜかイチャコラ付き合った上に結婚していた!
憎さ余って可愛さ100倍? いまや、毎朝会社に行く際に玄関で「いってらっしゃい」のチューをするくらいバカップルを地で行く夫婦。
だが夫にはただひとつだけ悩みがあった。
それは、妻と一度も寝床を共にしたことがないということ……要するに彼は既婚者なのにいまだ童貞であったのだ!
これはそんな夫が数々のトラブルに巻き込まれながらも、
身持ちのお堅い妻との愛を深めるため、今日も必死にアプローチを続ける艱難辛苦の物語である。
おすすめ度:★★★★★
感想
有象利路先生の作品読むのこれで3作品目なんですが、前二つがぶっ飛びすぎていて正直な感想、「まともな話も書けたんだ」というのが第一印象。
異能バトル物のライバルが夫婦になるという後日談のような話がメインで、当時の出来事を挟んでキャラ紹介を行い、その後そのキャラが現在同生活しているかという対比しているのも面白い。
もちろんキャラは一人一人がしっかり立っており、頭のねじが外れてるのでは?と思うキャラっもいますが、他作品に比べても結構常識の範囲内に収まっているので。
そして主人公夫婦に関してはただただ甘い!!!
結婚1年目ということでまだまだ新婚のように甘い生活を送る二人。
時には喧嘩してもすぐに仲直りする当たりはいい夫婦関係を築けている証拠。
幕間では敵対している時の話しかなく、その後の馴れ初め等の話や、両家の顔合わせなど面白そうなエピソードがにおわされるだけに何もないのはちょっと残念。
続きがありそうな形で終わっているが、本作はこの一冊で完結とX(旧Twitter)で作者自身がコメントしていたのでいろいろ気になりますが短編です。
作中で「戦い」という部分で、『過去』と『現在』を対比させていましたが、仕事や学校、趣味に家庭など、直接的な”戦闘”だけが「戦い」ではないと表現されていてその通りだなと感心。
誰しもがどこかに不平不満がある中で生活しているということをなぜか最後に諭される。
いい話ですし、短編ということで是非読んでみてください。
きっと思った以上に面白いと思います。