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あらすじ
男子高校生の生野健斗が暮らすアパートへ突然、学園でも有名な美少女・天原葵が押しかけて来た!
突然の来訪に驚く健斗に、彼女は拙い字で書かれたある「券」をチラつかせる。
それは幼いころ健斗が作った「何でも言うこと聞く券」だった!
しかも、ただの紙切れなはずの券が、持ち主の口にした「お願い」を何でも人に聞かせられるという代物になっていた。
しかし、券は一度使うと、願いを聞いた相手に所有権が移るという制限がついていて…!?
どんな願いも思いのまま聞かせられちゃう「何でも言うこと聞く券」を持った美少女後輩が、グイグイ迫ってくるラブコメディがここに開幕!!
おすすめ度:★★★
感想
作者買いした作品で、あとがきでコミックとか出てるのを知り、機会があればそっちも読んでみようと思えるような作品。
読み始めた当初は先日たまたま同じように『何でも言うこと聞く券』をめぐる作品を読んだからか同じような作品かと思って読み始めたのですが、『券』を盾に様々な要望をするのはこのタイプの作品では常套手段はしょうがなし。
やはり一番の特徴は本作で出てくる『券』が”本物”ということ。
ある条件下で券を使うことで相手を本当にいいなりにできる不思議な力を秘めているということ。
ヒロインがこの『券』を手に主人公の元を訪れるわけなのですが、その下準備というか語られていない部分でのヒロインの周到さが普通にすごい。
そんなヒロインが普通の交渉をするわけがなく、こちらの思惑以上の交渉術も見どころ。
そして『券』だけでなく、『願い』を叶えるということについて考えるように…
手元に『願いを”叶えさせる”券』を持っているからこその悩みだと思いますが、そこで自分に対しても疑問を覚えるのはいいですね。
この問題については受験生や就職などといったものにも通ずるものがあるが、それに対してヒロインの努力を肯定する材料を揃え、彼女を安心させるというにくい演出など素晴らしいものがあります。
読み切りなのか、ちょっと消化不良なところはありますが、十二分に満足いく作品だと思います。