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あらすじ
「わたしが勉強を教える代わりに、夏休みまでユキの家に泊めて」
次に赤点を取ったらひとり暮らしはおしまい。崖っぷちの私・ユキは学校で随一の美人・つかさの提案を流されるまま受け入れた。
でも、私見ちゃった。つかさが公園で同級生の女の子とキスをしていたところを。妙に近い距離感で私を何度も困らせてくるつかさは、まさかの「カノジョ」持ち。友達の弓莉には、女同士でも「浮気」じゃないかって同棲に反対されたけど、つかさはどこ吹く風。でも私の学力は上がってきてるし、つかさとの生活も楽しく感じはじめている。「恋愛感情がなければ浮気じゃない」ってそうかもしれないけど、けど――
――大丈夫、私が恋を知らないままなら、みんな幸せなままだよね?
おすすめ度:★★★★★
感想
例にもれずジャケ買いした一冊なんですが…
タイトルから勝手に勘違いしていた人です(すみません)…
いやね、、、男が主人公だと思うじゃないですか…
中見たら百合でしたね、、、しかも結構強烈なヤツ…
不順で、物語が進むごとに徐々に徐々に周囲の関係がねじれていき、最後には結構エグい状況に…
物語序盤は自己評価が低く、引っ込み思案だった主人公がヒロインに惹かれていく過程と、ヒロインがすでに他人の”彼女”という世間の眼のはざまで揺れている姿がすごいクルものがある。
話の中でたびたび出てくる”浮気じゃない”が最後にはあぁなるなんて…
主人公はヒロインに対して自分を”必要としてくれる”ことから惹かれ、自らも彼女を”必要としていく”ことでさらに引かれていく『依存』の形に…
対してヒロインはそもそも『恋愛』がわからず、カノジョは成り行きで関係が出来上がってしまって、それ以上の発展が無かったところに主人公のところに転がり込んだことでこちらも”必要とされる”ことで肯定感を持ちつつ、カノジョとの距離感でしか接することができないため、距離感を誤り続ける…
そして主人公の親友もまた、主人公に対して好意を宿しているが、いったん距離を取ることで意識してもらえると考えた行動が逆効果になり、横やりが入る形に…
最後にヒロインのカノジョ…彼女こそ本作最大の悪手を打ち続けている人物では?
ヒロインのことを考えて行動しているも、空回りになり、一旦自分の手の届かないところにやってしまった結果…
という感じに面白い感じにぐちゃぐちゃの人物相関になっておりドロドロ系が好きな方は本当に好きになれる作品だと思います!
ちなみに自分は純愛ものも好きですが、こういうドロドロして水面下で様々な思惑が渦巻くタイプも好物です(単に雑食なだけともいう)
ラストでは主人公が件の”カノジョ”に宣戦布告して終わりますが、ここからどうなるのか…
というか、主人公のキャラがラストに覚醒して最高でした!!!