こんにちは♪
本日の一冊はこちら(*’▽’)
あらすじ
扇奈の友人となった奏だけでなく智也や椋子まで来るようになり、賑わいを見せる古民家は、皆の力で順調に修復が進んでいた。
しかしそれを喜ぶと同時に、劉生は戸惑いを覚え始めていた。
自分の扇奈への気持ちが友情か恋か分からなくなっていたのだ。
そんな時、劉生の気持ちも知らず、雨に降られて帰れなくなった扇奈が二人きりでのお泊りを提案してきてーー!?
「ねぇねぇ、二人でここに泊まるっていうのはどうかな?」
ついにバカップルが一夜を過ごす!? DIYラブコメ第3弾!!
おススメ度:★★★★
今巻も大変楽しく読むことができました。
古民家をリフォームし、住めるようにするという気の長いDIYも最初の2人から人数も増えてますます賑やかになってきた第3巻(*’▽’)
1巻では劉生と扇奈の2人で扇奈の祖父の家をリフォームし始め、2巻では2人だけの世界だったところに2人にとっては異分子でもある”他人”が入ってきました。
今巻では一線をどこかで引いていた2人ですが、”他人”から自分たちの世界に招き入れ、”身内”と呼ぶまでに心を許し、今までの考えから変わるとてもいいターニングポイントの巻として、今後のDIY作業がどうなるのか楽しみです。
学生という身分の中で、試行錯誤の末リフォームを続ける旧伏見家。
メインの作業を劉生が担当し、扇奈が不器用ながらにもその手伝いをしつつ料理をこしらえるというとてもバランスの取れていたところに、裁縫が趣味の奏と”山”の中の案内人としての椋子、そして悪友というべき智也となかなかにぎやかになってきました。
家一軒をリフォームするというとても壮大な計画をしている中で、材料不足というどうしようもない状況にまた当たってしまった…
そして今回も助けてくれたのが扇奈の祖父の仲間たち。
高齢化に伴い断捨離をするにつれ、必要なくなった『思い出』の倉庫を取り壊し、旧伏見家の材料にしてほしいと告げられ、狼狽する劉生。
その老人の”なくなるより繋いでほしい”という思いに感銘を受け、有効活用することに。
確かに誰かにとって必要ないものでも誰かにとっては必要なものはある。それに、形が変わってもだれかの役に立ってくれるなら、どこかで誰かに使われているという思いが残りますし、それが友人の家の修復に使われるならどれだけ幸せなことなのか…
前の巻から登場した加賀さんもそうですが、気前のいい老人の思いというのはいい気持ちにさせてもらえます。
そしてその中で”仲間”というものに意識を向け始めた劉生。旧伏見家に住むのも最初は扇奈すらも拒絶していましたが、今回の出来事で扇奈が一緒にいることが”普通”になっていることに気が付き、逆にいないことで調子が崩れるという遅すぎる恋愛の一歩を踏み出し、初のデレを見ることができました(男のデレとかダレトク?扇奈には得か(^^♪)
そして扇奈にも変化が起こり、今までは友人と言えるのは劉生だけだったのが奏の登場により、同性の友人ができ、本当に狭い世界だった扇奈の世界が一気に広がったと…
お互いに違うベクトルではあるが、新たな世界を広げ、視野を広げたことで今後の物語がどのように進むのかとても楽しみになってきました。
今までのアプローチが微妙に実った扇奈でしたが、劉生の周囲に椋子や奏という自分とは別の女性が一緒にいる状況に対して、嫉妬を感じるのかと思ったらそういうのはほぼなく、さっさと自己完結otz
ここでそういう感情を見られるとそれはそれで面白そうでしたが…
今巻でもまた少しですが過ごしやすくなった旧伏見家。
昔のようにいろいろな人の声が聞こえるようになり、きっと過去にそのような場面があったというのがうかがえますし、そういう雰囲気はとても好ましく思います。
いつか手伝ってもらったすべての人を招待して過去を語りったり、とても有意義な空間を作ってくれると思うので、是非扇奈の父を説得して現実にしてほしい光景ですね。
今巻で劉生と扇奈の関係も一歩進み、今後がさらに楽しみに(^^♪
今回の2人の考えの変化や環境の変化がどのように影響していくのか、そして、次は何を作るのか次の巻も楽しみです。