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本日の一冊はこちら(*’▽’)
あらすじ
再結成された《婚約解消同盟》。次なるターゲットは、才色兼備な天才美少女・氷雨。 親同士が勝手に決めた関係は認めない! 再び息巻く幸太に同盟者・クリスが提案した策とはーー!? 一方、幸太と再び恋人同士に戻りたい氷雨。二人きりになるチャンスを探していたところ、幸太の期末試験の結果を知った彼女は、ある作戦に打って出る!「ーーここからはわたしの作戦です」 すれ違う思いにますます過熱する正妻戦争。その行方は波乱の勉強合宿へ……!? 元恋人、氷雨の逆襲が幕を開けるーー!
おススメ度:★★★
1巻の衝撃のラストからどのように展開されていくのかとても楽しみだった1冊。
3人に増えたヒロインは皆才能豊かで、かつ魅力も素晴らしく、話自体も展開がスムーズで特に気になることはなく、楽しく読めるのですが、いいところやヒロインの魅力が伝われば伝わるほど主人公のいびつさが際立ってくる作品です。
才能がないならないでいいですし、何かしら魅力があるならそれでいいのですが、1巻のラストから思っていたことなのですが、とても身勝手な割に周囲を振り回し、また振り回されるだけの舞台装置にしかなっておらず、話の主目的である『婚約破棄』についても勝手に思い込んでいる部分がどうしても際立って見えてしまう。。。
今巻で氷雨の掘り下げを行い、彼女との婚約破棄までもっていったのはいいのですが、次巻以降幸太が成長しないことにはどうしようもなくなってくると思います…
流石にヒロインの魅力だけでどこまで行けるのかわかりませんが、どこかで彼が成長することを祈るばかりです。
氷雨の想いと過去
1巻のラストで理不尽に幸太に別れを告げられ、恐らく本作で一番かわいそうな人。
1巻でのクリスとの『同盟』は幸太が氷雨と付き合っているということで理解できましたし、仮にクリスに乗り換えたとしても納得できた部分があります…
では今巻でメインをはる氷雨との間はというと、元々両想いだったがクーデレの氷雨はその想いを幸太に伝えておらず、許嫁ということが分かった瞬間に話し合いもせず一方的に切られる形に…
許嫁だから好きでもないから付き合ったという早とちりから終わった関係ですが、一方的に宣言された氷雨にとってはまさに青天のへきれき…自分の何が悪かったのかを悩む日々を送ることに…
そこから彼女の過去について語られていくことになりますが、1巻のころから既出している通り”天才”と呼ばれる人種であり幼少のころから同じ状況であり、そんな彼女を幼いころから他者と同じように接してくれた幸太に惹かれたのはしょうがない状況かと…
実際、幼いころは自分と違ったものを排他しようとする流れがありますし、歳を重ねればそれこそ”個性”や”容姿”によってそんなこと気にならないようになりますし、特に幼少のころは思ったことをそのまま口にすることからその心の傷は計り知れないと思いますし、そのようなことがあれば、現在の氷雨のような性格になってしまうのも納得の理由でした。
そのような内気な性格でクリスや新ヒロインの二愛と争っていくのはなかなか大変なことではないでしょうか?
結構細かく氷雨というヒロインを掘り下げられたので今後の彼女の行動には注目。
今巻も暗躍するクリス
1巻の時はメインとして幸太の好意を自分に向かせようと様々な取り組みをし、あと一歩のところまで行ったクリスですが、今巻でも様々な動きをしています。
基本的には幸太の『婚約』をすべてリセットし、最終的には幸太の1番の座に自分が収まるというとても一直線な思いがある分とてもわかりやすいキャラでもあります。
ぱっと見は幸太のために協力していますが、裏を返せばすべて自分のためというオーソドックスなヒロインですね。腹黒という点は否定しませんし、できませんが。
そんな策謀を弄して掌の上で物事を動かしているクリスも二愛のアプローチにはたじたじに…
自分一人では手に負えないということで氷雨に協力を要請しますが…
ある意味幸太の一番近くにいて彼の望みをかなえるため身を粉にして行動する彼女が二愛に対してどのような策謀を練るのか次巻も楽しみです。
ある意味本命?新ヒロイン、”ヤンデレ”二愛
1巻のラストで突如登場した3人目の許嫁である北大路二愛ですが、実際その人物像がわかるにつれ、1巻で出てきていたら話が破綻したであろう強烈なキャラでした。
その行動はまさに”ヤンデレ”と言われるものですが、彼女の内がまだまだ分からないのでどこまでの深度なのかはわかりませんが、ライトノベルということもありまだ軽傷か?
彼女に関しては順番的に次巻掘り下げられるので、その時を待つとしましょう。
さいごに
才色兼備なクーデレの氷雨、モデルで正統派ヒロインのクリス、陶芸家でヤンデレの二愛という才能と魅力ある3人のヒロインについてはとてもいいのですが、それに対して主人公が弱すぎる…
クリストの『婚約破棄』は付き合っている氷雨を立てる形で拒否していたはずなのに、いざ蓋を開けてみたら一方的な思い込みからすべて手放すという”愚か者”
1巻では愛することを知ったクリス
2巻では受け身だったが、動くことを意識した氷雨
3巻では恐らく二愛を掘り下げ、その成長を目にできると思います。
そんな魅力あふれるヒロインが成長していく中で主人公である幸太がどのような成長をしていくかが恐らく今後のカギになってきそうです。
彼が”優柔不断”の”無能”というキャラ付けを意識され作られたのなら恐らく成功ですが、このまま進むのであれば難しくなっていくのは想像に難くないのでは?
一応3巻では二愛について深堀されることを祈ってます。