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あらすじ
「ダンまち」シリーズ12ヶ月連続刊行!
ベル・クラネルに根差す、“始まりの英雄”の物語が待望の書籍化!
『アルゴノゥト』
『神の恩恵』など存在しなかった、古代初期を舞台にした物語。
今も数々の説話として受け継がれる、一人の男の英雄譚。歴代の英雄の中でも、圧倒的にひ弱で、冴えない英雄。しかし彼を『始まりの英雄』と呼ぶ者もいる。
何故、アルゴノゥトは『始まりの英雄』などと呼ばれるのか?
これは、とある滑稽な男の話。
不相応な望みを持ち、幾多の思惑に翻弄され、それでも愚者を貫いた一人の道化の物語。
さぁ、『喜劇』を始めましょう。
おすすめ度:★★★★★
感想
本編でたびたび『英雄譚』としてベル・ティオナ・春姫が語っているおり、何より、ベルの”スキル”の名前にもなっている”英雄”の物語。
現在に生きるキャラクターたちと似通った人物が多く出てくるが、現在とは違った立場で物語に絡んでくるのはいいと思いました。
出だしこそ有名な『ドン・キホーテ』を彷彿とさせる『道化』姿が見られましたが、話が進むたびに彼の『本質』が見え隠れしてるような、本当に素なのかわからなくなります。
後半では今巻でちりばめられた様々な物事を回収していってくれるはずなので、そこに期待。
『英雄』に憧れ、成るために踊る『道化』は神の恩恵もなく、モンスターという脅威にさらされながらも少ないリソースを奪い合う姿を、『楽園』という甘い言葉の後ろに隠された”秘密”を知ってどのように”そこ”に至ったのか。。。
それにしても、神の恩恵が無くても種族の恩恵を最大限に生かす登場人物たち。
主人公たるアルゴノゥトも”力”はないかもしれませんが、”知力”は抜き出ていると思います。
作中ではメインは『道化』を演じていますが、舞台上の全員どころか観客まで振り回している姿はどこまでが計算なのかわかりません。
そして、義妹として登場するエルフもまた、ソードオラトリア14巻でエルフの魔法が”衰退”した理由がしっかりと描かれていましたが、それを抜きにしてもあまり余る才能を披露していたと感じます。
もちろんそれ以外(小人族は今回登場しません)も現在と遜色ないように感じました。
そして、過酷な”運命”に翻弄され、隠された”真実”を前にしてなお『英雄』を目指す彼はその内に何を秘めているのか…
ラストには現在でも相棒として隣にいる『クロッゾ』の登場!!!
ここからどのような軌跡を創って『英雄』に至るのか…
次巻がとても楽しみです。