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あらすじ
――これは、純粋で真っ直ぐな、略奪愛の物語。
高校生・大嶋鴎に初めてのカノジョができた。初心で内気で清楚な同級生、宍戸向日葵。これから2人の幸せな日々が始まる――そう思われた矢先、鴎は向日葵の家で初恋の人、
梅雨と数年ぶりに再会する。
明るく快活だった昔の面影が失われ、退廃的ですさんだ雰囲気を漂わせる梅雨。彼女は親の再婚で向日葵の義姉になっていた。再会の衝撃も束の間、鴎は訳のわからぬまま梅雨の部屋に連れ込まれてしまい――。
「……もしかして、初めてだった?」
好きだった頃のあなたに戻ってほしい。カノジョがいながらも、鴎は徐々に梅雨への想いに蝕まれていく。
純愛なのか、執着なのか。これは、純粋で真っ直ぐな、略奪愛の物語。
おすすめ度:★★★
感想
過去の情景を胸に秘め、まっすぐに育った少年と、夢半ばで敗れ、自分を見失った女性が偶然出会ったことで、始まる望まぬ”不健全”なラブコメ。
憧れの人にあった時、その人がどれだけ変わっていたとしても”無関心”を貫くことはできるか?
主人公は恋人との『純愛』を貫こうと必死になっているが、どうしても憧れの人に視線が行くというもどかしさがうまく出ていたと思います。
また、その行為に対して彼女に対して申し訳なさを感じながら『誠実』であろうとするがあまり、自らの首を絞める状況になっていくのは見ていて可哀そうに…
彼が今後どのように道を踏み外し、罪悪感につぶされることになるのか見もの…
その際にヒロインと傷の舐め合いではないが、共依存になるというルートも見えるのは何とも何とも…
ヒロインもまた、過去から目を背け、自分を支えてくれる存在を探す”迷子”のような状況。
再開した主人公に対して、最初は”過去”を見せられる厄介な存在。
そこから関わり合いを持つたびに徐々に惹かれ始め、最終的に目的が逆転するという状況に…
今巻では再開から自分を失望させ、かかわりを断つために行動、そして惹かれるというまさに返り討ちにあった結果だが、次巻以降どのような行動を取っていくのか楽しみです。
そして、一番かわいそうな主人公と付き合い始めたもう一人のヒロイン…
再開させるという役割自体は達成させることができたが、そこからの扱いが結構ひどい…
付き合い始めというある意味幸せの絶頂にいる状態なのに、義姉の行動と、恋人の嘘。
今巻だけで彼女が闇堕ちしていきそうなのですが、、、
小さな”嘘”を積み重ねた先に『誠実』はあるのか?
三人による三角関係はどのような結末をたどるのか、今後が楽しみになる作品です。