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あらすじ
「今の私に、鴎に好きになってもらえる資格は、ある？」
募る想いがついに溢れだし、鴎に迫る梅雨。
そんな梅雨への恋心を自覚しつつも、鴎はギリギリのところで踏みとどまっていた。
もう、向日葵を裏切れない。
だから、梅雨の想いに応えてはいけない。
しかし、すでに時遅く、２人はその現場を向日葵に目撃されてしまう。
かつての憧れの人と、いま大切にしなければいけないカノジョ。２人の間で揺れ動く鴎は、傷ついた向日葵に、梅雨とはもう会わないと告げるのだが――。
わかっていても、離れられない。
純粋で真っ直ぐな略奪愛の物語、誘惑と堕落の第２巻。
おすすめ度：★★★★
感想
あとがきで気づいたのだが、、、1巻から1年経ってたんですね…
1巻の時点で不穏な空気はわかっていたし、何なら今巻のラストの展開もなんとなく予想できたが、その過程がよかった。
『本音』、『嘘』、『願望』、『依存』様々な感情や行動が入り乱れ、否が応でも『変わる』ことを強いられた3人…
正義感が強く、まっすぐに育ってしまった鴎は恋人に対して罪悪感を抱きながらも”初恋”の熱に焦がされ、流されるように続ける”秘密”の関係という、甘い甘い”毒”。
二人を傷つけないようにしつつも、どんな選択肢をとってもどちらかを傷つけてしまうという”真実”を突き付けられた彼がどのような決断をするのか、そして、その胸に秘めた”初恋”という名の”呪い”。
この世が真っすぐなだけでないことを知った少年はどこに向かうのか…
”浮気”という最愛の人に裏切られた現場を見てしまった向日葵もまた”変化”を強いられた一人…
恋人のことが大切だからこそ、その胸に秘めた黒い部分をさらけ出した彼女。
本当の意味で”人間”らしさが見られた今巻。
いつまでも”無知”ではいられず、真実と向き合うことを強制され感情の高ぶりが見れたのが本当にいい。
突き付けられた”真実”からどのように行動するのか今後が楽しみ。
そして、、、今巻唯一”変化”をしなかった、というよりも、”過去”から”変化”した結果が顕著に出た梅雨…
”挫折”からくる無力感、そして自ら進んで貧乏くじを引き続けた結果もたらされた”孤独”の中で、自らの”弱さ”を隠せなくなった彼女…
話が進むにつれて”弱さ”が強く表れるようになった彼女だが、最終的に行きついたのがやはりというか『強い依存体質』…
ある意味結果がわかり切った状況だったが、いったいどのような選択をし、どのような結果になるのか…
次巻が気になるところだが、これだけ間が空いたので、続巻が心配…
個人的にも衝撃的なラストなので、三人の行きつく先が見たいので、是非続きをお願いします。
