チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日

ラノベ

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あらすじ

その日、少年は怪物になった――。人型兵器を駆り、巨大生物を討て。
環太平洋沖に突如現れ、多くの人命を奪って世界中の海域を支配した謎の巨大生物レヴィヤタン――通称レヴ。
通常兵器では到底歯が立たない怪物に対抗するべく、人類が生み出したのは、レヴの死骸からなる機体に子供を乗せて戦わせる人型兵器《ギデオン》だった。
地方の民間ギデオン搭乗者として働いていた高校生・善波アシトと、その幼馴染の宮園エリン。ある日、二人のもとに、戦闘指導官として国連軍のエリート・風織ユアが現れる。境遇の違いから、初めは衝突し、すれ違っていた三人も、厳しい訓練と任務の中で、やがて確かな信頼関係を築いていく。
そして、死と隣り合わせのレヴとの交戦の中で、アシトは覚醒の時を迎え――。
海と喪失を巡るロボットジュブナイル。


おすすめ度:★★★★


感想


 東日本大震災をモチーフにした作品のため、読み手は選ぶと思うがそれでもなお多くの人に読んでもらいたいと思える作品。

 『震災』を『怪物』として想像しやすい形になっており、復興におけるキャラクターたちの不安や葛藤、悩みなどが詰め込まれている。

 実際に被災にあった身ではないが、とても考えさせられる内容と、濃密なストーリーに引き込まれました。

 ラストの感想は人によると思いますが、実際にそういう道を歩む人もきっといるのでしょうね…

 薄れてきている震災への意識をするのにうまく”ライトノベル”という形に落とし込んだ作品だが、題材が題材なだけに結構重い内容でしたが、自分は好きです。

 『災害』という抗えない現象と対面し、人々はどのようにそれと向き合うのか。

 作中では少年少女たちがメインとなり被災地の復興や、レヴィヤタン(災害)の脅威への対策といったことへ向き合いながらそれぞれがどのように思い悩みながら行動するのか。

 家族との思い出が残る地から離れる人、亡くなった愛する人の安否が少しでも知りたく残る人。地元の復興を目指し残る人、そしてそこでしか”生き方を知らず”残る人。

 作中でも様々な思いが交差しながら生活しているさまがわかります。

 そして、それらとどのように向き合いながら生きていくのか…

 脅威が世界にあふれ、世界全体で協力しようという中であっても利己的な人間はいるわけで…

 目の前で被災にあっており、それを指をくわえてみていろと言われたらあなたはどうします?

 そして大人たちに振り回されるように行動する彼らの選択はいったいどのような結末が待っているのか…

 現代社会の問題をさらに歪に、大げさに表現されているが、そんな中でも”希望”を見失わないように行動する彼らの思いや悩みを一緒になって考えてほしい。

 暗い気持ちになる作品ではあるが、それゆえ多くの人に読んでもらい、もう一度考えてほしい…そんな一つのきっかけになるような作品です。

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