俺は星間国家の悪徳領主!⑦

オーバーラップ文庫

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あらすじ

善良さ故に奪われ続けた前世の反省から「悪徳領主」を目指すリアム。
連合王国の侵攻を退けたことで、その派閥は第一皇子のものより巨大になりつつあった。
そんな中、突如出現した魔法陣に吸い込まれたリアムは――
「どうかこの国をお救い下さい、勇者様! ……え、二人いる!?」
どうやら未開惑星の勇者召喚に巻き込まれてしまったようで、現代日本から召喚された女子高生カナミと一緒に魔王を倒してほしいと頼まれるのだった。
一方、リアム不在のバンフィールド領では邪悪な思惑で暗躍する者達が……!?
悪徳領主が目標なのに勇者として魔王と戦っちゃう勘違い領地経営譚、第7幕!!


おすすめ度:★★★★


感想


 まさか悪徳領主が”勇者召喚”???

 言葉にするとわかる通り、真逆の性質を持つこの二つ。

 今回は遠く離れた地で孤立奮闘?するリアムだが、やっていることは普段と変わらず。

 リアムの活躍というよりも残された人やリアムと一緒に勇者召喚された2種類の行動が面白い。

 まず一緒に召喚されたJK。

 リアムの前世の関係者で、後悔の念を今も胸に秘めつつ、人々のために働こうとするまさに”The勇者”という設定。

 しっかりとした判断能力があれば王女の言っていることのおかしさがわかるが純粋+困っているという二つがうまくかみ合った結果程度のいい傀儡になった印象。

 実際前世のリアムが案内人にとってそういう立ち位置だったこともあり、”血”なのかと思ってしまう。

 それでもお互いに何も言わなくてもどこかつながっているところがあるかのような距離感が好きなエピソード。

 特に目立ったものは無いのですが、どことなくいいなぁと思わせる部分。

 web版ではなかったその後もちょっとあったのも嬉しいところ。

 こっちのエピソードではもう一人(一匹)?表紙の犬(狼)耳の少女がいますが、web版でも登場しているのですが、ほぼ忘れられているキャラになっているので、書籍版ではもっと出番が多くなるのか気になるところ。

 ちゃんとお世話するって言ってたのに(笑)

 そんな結構ほのぼの?な空気が流れる異世界とは別に本巻で本当に面白いのは残された者たちサイド!!!

 リアムという独裁者がいなくなったことにより、暴走に次ぐ暴走。

 しかも誰もが斜め下や斜め上を行くようなひどい有様。

 あの案内人も困惑するような暴走の数々を是非笑って読んでもらえればと思います。

 普段から暴走は多い作品ですが、ここまでひどく出来るんですね。

 ところで、本作のヒロインが迷子になってますが、皆さんはちゃんとわかっていますか?

 次巻ではとうとうほかの星間国家との戦争へ。

 どの程度web版との違いが出てくるのか今後も楽しみです。

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