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あらすじ
王国北部の反乱に立ち向かうも、大司教ヨハンの未来予知の力によって行動を読まれ続け、苦戦を強いられたエルメス。
窮地に立たされたリリアーナ陣営だが、エルメスはひとり冷静に反撃への緻密な作戦を創り上げていく。
その作戦の重要な鍵となるのは、“最も弱い”リリアーナで――!?
一方家族を人質に取られてエルメスと敵対することを強いられていたニィナは、ヨハンの持つ予知能力の真相を知るとともに、自身もその力を手にしてしまう。
そこで見たのは「次の戦いエルメスが死ぬ未来」で――!?
その未来を自らの力で壊すため、ニィナは孤軍奮闘するが……!?
おすすめ度：★★★★
感想
前の巻ではエルメスの上位互換のような王女と出会い、直後にクーデターに巻き込まれることになったエルメス一行。
目指した北部にも問題があり、どのように対処するか楽しみな一冊でした。
これらを踏まえて前の巻の延長で王女がメインで行くかと思ったら、今巻のメインは”敵”の中で孤軍奮闘する『ニィナ』
エルメスを助け、兄を助け、司祭を打倒するために苦しい環境の中でももがき続ける彼女の献身がしっかり描かれ想像以上の描写に。
そしてそんな『ニィナ』の”恋心”が命運を握る本巻は恋愛物が好きな方は好きな一冊になっています。
どうすることもできない一人の少女の苦悩と一方的な”愛情の深さ”を是非読んでみてほしい。
今巻のサブタイトル通り、”恋”によって世界が変わる物語になっています。
そしてすべての決着がつく北部の話を聞き、動き始めた黒幕たち。
彼らがどのような集団なのか、そして何を目指すのか…
王都にいまだ残る”爆弾”がどのような結果を招くのか…
ついでにエルメスのヒロインレースは混迷を極めてきましたが、積極的なニィナを加えてどのような変化が起こるのかも気になるところ。
前の巻が王女のポテンシャルの高さを見せるよな作りだっただけに今巻では全体的に納得のいく形でした。
次巻も楽しみです。
