学生結婚した相手は不器用カワイイ遊牧民族の姫でした 

オーバーラップ文庫

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あらすじ

とある事情により、高校1年で結婚することになった志田亨(しだとおる)。
相手は出会ったばかりの異国の美少女メイユエ。
不器用でちょっぴり偉そうな彼女の正体は、なんと遊牧民族のお姫様……!?
国籍も立場も違う二人はお互いの距離感を掴めずにいたが、一緒の高校へ通い、同じ家に暮らす中で少しずつ歩み寄り――
「甘えてしまって良いのだろうか?」
「あーん、ってしてやろうか?」
「ずっと一緒に食事したい。そう思える相手は一人だけだよ、旦那さま」
……次第に見せてくれるようになった素顔が可愛くて!?
お姫様で同級生な彼女との新婚生活、スタート!


おすすめ度:★★★★


感想


 『冥婚』という聞きなれない儀式から始まり、一定距離から離れられない二人が、徐々に惹かれあっていくいいラブコメ。

 『冥婚』という”魂”の結びつきから展開される”呪い”・”幽霊”・”幽体離脱”といったファンタジー要素をうまく取り入れられており、ラブコメの中にちょっと不思議な感覚も…

 もちろん、それを抜きにしても面白いと思ったのですが、『冥婚』というキーワードをより強くするという意味でも、このファンタジー要素を入れたのは正解だと思います。

 そして、最も重要なヒロインですが、思ったよりポンコツ要素が強く、結構好み。

 郷土愛が強く、国にまつわることなら大体なんでも答えていたのでは?

 さらに自国で語られる”神話”・”叙事詩”を正確に覚えているのは普通にすごいと思った。

 日本に住んでいるけど、日本神話でどのくらい語れるかと問われるとみんなも知ってる程度の表面的な部分しか語れないし、神様の名前なんてよっぽど出てこない人のほうが多いと思う。

 それほど自国を愛しているというのが都度伝わってきた。

 ”魂の結びつき”というある意味何よりも強い繋がりを持った二人が、今後どのように惹かれあい、”未来”を見据えるのか楽しみ。

 まず、大前提に、本作を買うにあたってタイトル買いしたわけなのですが、”学生結婚”という部分で、どのような関係やどういう背景なんだろぉと期待して読み始めたら、まず出てきたのは似非日本語を見本にしたような『獄卒鬼』というそもそも人間じゃない…

 しょっぱなから期待を裏切られた形で始まった本編ですが、次に飛び出したのが『冥婚』…

 正直な話、「聞いたことないよ・・・」

 と、いうことで読むのを一時とめて調べてみました!!!

 作中でも語られていますが、実際日本でも昔(昔と言っても結構最近)あった風習らしいですが、日本よりも韓国のほうがさかん?、、、悪質だったみたいです。

 どういうものか概要だけ調べただけなのでもっと深く調べることも出来そうでしたが、とりあえず疑問が解決したので良し!!!

 自分たちが真っ先に思い描く”結婚”とはかけ離れた形だったこともあり、意外性から一気に読むことができました。

 話の展開は短編を時系列ごとに細かく区切る形になっていたので、途中で切りやすかったですし、とても読みやすかったです。

 章間では設定を問答形式で解説されていたので、世界観も把握しやすく、しかも段階を経て解説してくれるので、地の文で書かれるよりもわかりやすかったですし、理解しやすかったです。

 二人の関係についても最初こそぎすぎすしていましたが、徐々に距離を縮め、最終的にはこちらが求めている甘い空気を自然に作り出すように。

 微ファンタジーと合わせているからか、ラストが何ともあっけない形だったのがちょっと残念。

 グダグダするよりはいいのかもしれないが、あそこだけ急激にコメディ色が濃くなり、ギャップに戸惑いも…

危機的状況だからこそ二人の絆がさらに深まる要素があるのかと思ったのに…冒頭も併せていろいろ期待を裏切ってくれる作品です。

 一応両想いの形に落ち着いた二人だが、両親へのあいさつなどまだまだ油断が出来な状況。 

 それでも美月の徐々に柔らかくなる表情は必見レベル!!!

 ポンコツな部分も目立つが、それも含めていいヒロインでした。

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