才女のお世話3

HJ文庫

こんにちは♪

本日の一冊はこちら(*’▽’)

あらすじ

『完璧』を演じる実は怠惰なお嬢様・雛子と、甲斐甲斐しく彼女の面倒をみる元一般庶民のお世話係・伊月。
天王寺さんのおかげで、雛子のお世話にも貴皇学院にも伊月が慣れ始めた頃、昔なじみの成香が友人作りに協力してほしいとやってくる。成香の良さを知っている伊月は彼女のために一肌脱ぐことにしたがーー
「だって……伊月と最初に出会ったのは、私だったんだ」
成香のやきもちが爆発し、成香と雛子が伊月を取り合う事態に発展して!? 
お嬢様とお世話係の恋物語、書籍版完全書き下ろしで送る第3弾!!


おススメ度:★★★★


 今巻のメインは伊月の遠縁のスポーツ少女成香!

 逆に前回のメインだった天王寺は今回はお休みですが、ちゃんと話には絡んでいます。

 貴皇学園内で伊月達以外と交流がない成香ですが、その理由が今巻で明らかに、、、

 本作では彼女自身に特に問題がないように見えていただけに不思議ではあったのですが、その理由が判明し、それに対して何とも言えない感覚に…

 そして雛子もまた自分の初めての気持ちに振り回され、それを静音が察し、陰ながらフォローするという姿が目立ち始めましたが、いったい雛子はその気持ちにいつ気づくことができるのか…

 今回の問題となる成香の問題ですが、イメージによるものが大きく、一度そのイメージを植え付けられるとなかなかそのイメージを払拭できないのが普通ですし、すごく難しいこともわかります。

 実際今までの中で読んでいた時の成香のイメージは「人見知りするおどおどする内気な少女」といった感じのイメージでした。

 それが今巻では作中の人物達にも読者的にもイメージが変わることに。

 そして、成香を見ることで伊月もまた、自分の立ち位置を意識するように。

 学校というのはどこまで行っても社会の縮図であり、本作のように上流階級の人間が集まる場ではそれがさらに謙虚になっているイメージ。

 実際、家の繋がりやその”家”の”強さ”によってもスクールカーストが形成され、将来に向けて人間関係も構築していく関係で普通の学校よりも複雑になってる…

 そんな中で家柄的にもトップの雛子のそばにいるというその”異質”さを自覚し、成香のことと共に自分の友好関係を考え直すという荒業に。

 転校してすでに結構な時間がたっている中で誰かに紹介してもらって仲良くなるのではなく、自ら進んで新たな人間関係を築くのはすごいなと思いましたし、それだけの覚悟を持って過ごしていることがわかりました。

 もちろん成香のイメージ戦略も同時に行っていましたし、成香自身”現状”を良しとはしていなかったのもより好感が持てるところです。

 基本的には上記のように進みますが、前の巻と同じように方々から嫉妬がすごい。

 雛子は前回の天王寺とのことを意識して前回よりも伊月に張り付くように。

 さらに成香の過去の話や伊月とのエピソードに一喜一憂する姿は本当に可愛く、すごく小さなことでも張り合おうとしている姿もまた恋愛初心者を見ながらニヤニヤと。

 そして成香もまた、雛子と天王寺の2人に嫉妬を…

 伊月を真ん中にした3人からのアプローチは今後どうなるのか?

 一番近くにいる雛子が一番進んでいるか?

 それとも天王寺が追いかけるか?

 それとも今回自分の気持ちを遠回りだが伝えた成香が行くのか?

 今後の展開に期待を持ちつつ、雛子が自分の気持ちに気づく瞬間を楽しみにしたいです。

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