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あらすじ
「今年は同じクラスだね。よろしく」
自分たちの関係を受け入れてくれるコミュニティを大切にする――そんな新たな価値観を知った悠太と沙季。
順風満帆かに思えた二人の関係だが、春休みを過ぎ、三年生になった彼らにはまた大きな変化が訪れる。
クラス替えにより同じ教室での生活が始まり、近づいてきた受験と未だ見えぬ将来設計に惑い――そしていつの間にか、二人が家族になってから一年が経とうとしていた。
ここまでゆっくりと距離を近づけてきた二人は、近づきすぎてしまった自分たちの関係を見つめ直すために『すり合わせ』をするのだが――?
“兄妹”であり“恋人”でもある二人が理想の距離を模索する恋愛生活小説、第8弾。
おすすめ度:★★★★
感想
前の巻でお互いの想いを伝えあい、『義兄妹』という関係から『恋人』へ変化した二人。
この巻からじれったくも甘い展開が待っているのかと期待したが、待っていたのはまさかのじれったさ100%…
確かに、表紙の二人の距離感を見てみると、一巻から徐々に近づいていき、7巻ではまさに『恋人』らしい構図から一変、何やら距離感が…
内容はまさに表紙の懸念を現実にしたようなもどかしい展開が続くことに…
元々『すり合わせ』によって距離感を掴んできた二人が急に『恋人』という距離感に戸惑うのはわかっていたことです(一人で納得)
そのおかげで読めど読めどじれったい状況が続くことに…
もちろん、じれったさばかりではなく『恋人』らしい甘い部分もあり、満足のいく内容となっています。
さらに今巻では追加でいくつかの問題?が、
新たな学年になり、仲が良かった親友二人とクラスが別になったことで社交性がほぼ皆無な二人の新たな人間関係構築の四苦八苦ぶりがとても微笑ましい。
苦手分野の克服という意味でも新たな人間関係を構築していく二人の姿に1巻からの成長を感じる。
さらに頼りになる読売先輩の就職活動を聞き、高校三年ということで『将来』のことを考え始めた二人。
同じような時期にそれぞれの親に”仕事”のことを聞き、それぞれの考えをより深めることに、これに関しては似た経験をしたことがある人が大半だと思いますし、両親の言葉の重みがわかります。
そして、『義兄妹』として、『恋人』として距離感を図るために再度交わされる”すり合わせ”。
やはり本作ではそれがないと始まらないという”儀式”がここで行われることに。
今巻では距離感を掴めなかったおかげでじれったい期間が続いたが、すり合わせたことによってどのような変化が起こるのか。
二人の今後に期待できる終わり方でした。