運命の人は、嫁の妹でした。

ラノベ

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あらすじ

互いの顔を知らないまま結婚する――その名も「ブラインド婚活」なる蛮勇をかました俺、御堂大吾。
 初の待ち合わせ場所に現れたのは超美人な嫁……ではなく、その妹・獅子乃。
 その時突然、俺たちに前世の記憶が蘇る。そこでは、俺と獅子乃は運命を誓い合った恋人どうしだった!?
 ……つまり〈運命の人〉は嫁ではなく、その妹だった!? 俺もう君の姉と結婚しちゃってるんだけど!?
 しかも、実家のゴタゴタから守るため、まさかの嫁より先に獅子乃との同棲生活が始まってしまい……! どうなる、俺の理性と新婚生活!

 誰も読んだことのない、予測不能なヒロインレースが幕を開ける!


感想


 『前世』からの運命に振り回される3人…

 ”前世”から結ばれた『運命の相手』を選ぶのか、それとも”今”を生きる自分の目で、感覚で選んだ相手ことを『運命の相手』として選ぶのか…

 『運命の相手』というキーワードと共にどのような結末をたどるのか、とても楽しみな作品です。

顔の見えないお嫁さんは意地っ張り


 本作が始まる元凶ともいえるヒロインの一人であり、『ブラインド婚』というものを提示し主人公と無事?結婚をした顔がわからない”嫁”。

 確かに顔を合わせず、メッセージや電話などのやり取りだけで結婚をして、様々な要素がかち合う相手ならそれは疑うまでもなく『運命の相手』だと思います。

 実際にはそんな殊勝な理由はなかったのですが、彼女の名誉のためにここではあまり明言しませんが、気になった方は実際読んでみて確かめてください。

 彼女については搭乗前と登場後で印象が180°変わりました。

 主人公と同じように電話の内容や彼女の妹の獅子乃からの情報だけなので何ともだったが、実際に登場するとそのメンタルの弱さに『兎羽』という名前のイメージがまんまついて回ることに。

 そして、彼女も”前世”が関係しているらしく、その概要が語られることはなかったですが、今後徐々に明らかになっていくと思うので”前世”の設定に関しては全員楽しみ。

 徐々に気を許していく嫁の妹で『運命の相手』


 兎羽の妹で、翔和発信のお家騒動により主人公の元に世話になりに来た”中学生”少女。

 ”前世”から運命づけられた『運命の相手』であり、それを強調するかのようにその手のイベントが非限り無しに襲ってくるというある意味恐怖体験。

 当初は『ブラインド婚』という訳の分からないものに巻き込まれ、主人公に対して警戒をしていたのですが、『運命』には逆らえず徐々に主人公に惹かれ、表情が豊かになっていく過程はとても面白いです。

 兎羽に巻き込まれる形になっていますが、姉妹仲は良好らしく兎羽の突拍子の無さやメンタルの弱さからくる行動にはなれたもの。

 舞台となるアパートの住人も癖の強いのが集まっている中で、異質に感じられるほど真面目だが、恋に対しては全力のようで…

 獅子乃という名の通り全力で姉の夫を寝取ることを考えているのでは?と思える行動も…

 常識枠だと思っていたのに…

 挿絵は基本的には獅子乃がメインとなるので彼女の様々な表情を見ることができ、とてもかわいらしいのでアルビノヒロインが好きな方は必見かも?

唐突に入るSFという”前世”


 ラブコメも十分面白いのですが、本作の一番の特徴は?と聞かれたとして一番思い浮かべるのはやはり”前世”という名のSFの世界観。

これが結構唐突に入っており、最初は別の作品を読んでいるのか不思議な感覚に…

 『世界の終わりに誰と過ごす?』というこちらもおなじみのキーワードをもとに”終末世界”を描いた作品になっており、正直別作品として一冊読めるような内容に。

 そして、ここで語られる物語こそ”現在”に至る『運命』を気定づけている内容となっているのもとても興味深いものに。

 ラブコメを読んでいると思ったらいきなりSF小説に切り替わるので苦手な人はご注意を。

最後に


 衝撃なラストから次巻以降登場人物たちに『運命』が牙をむく展開が待っているかと思いますが、複雑に絡み合う中で主人公には本物の『運命の相手』を選んでもらいたいという気持ちが。

 気になる点も多い作品ですが、今後の伏線の回収やネタ晴らしにも期待したいです。

 全く違う姉妹からアプローチを受ける主人公が真実の『運命の相手』に選ぶのはだれかその行方が気になる作品でした。

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