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あらすじ
“お前には許婚がいる”――とある土曜の朝、父親から告げられたのは衝撃の事実だった。 東九条浩之、高校2年生。帰宅部、彼女はナシ、だけど何の不満もなく平穏な日々を送っていた。 はずだったが……放心する浩之を置いて、結婚に向けての話はどんどん進んでいき、これから同棲まですることに!? しかも、許婚は同じ高校に通う“容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群”の超パーフェクトお嬢様! 「言っておくけど拒否権、ないわよ?」 そう絶対零度で言い放つ、彼女は学園でも有名な“悪役令嬢”で――!?!?
おすすめ度:★★★★
一言:クーデレ好きにはたまらない一冊。徐々に態度を軟化させデレる彩音は必見。
感想
基本的にはテンプレまっしぐらで、ストレス等無く安心して読める作品。
ヒロインの『悪役令嬢』というあだ名には疑問が残るところだが、それでもすんなり読めたので、、、まぁ。。。
恐らくこういう細かい疑問を出し始めたら読めなくなるのでいろいろ割愛しますが、物語全体として山場も少なく、主人公とヒロインの仲を深めることを中心としたイチャラブ系。
作品全体に言えることですが、聞き分けがいいキャラが多いのも恐らく上の”疑問”が多いことの1つかと…
タイトルにある『悪役令嬢』ということで、結構どういう感じのキャラが出てくるのかと期待していたら彩音自身に文句はないのですが、『悪役令嬢』という言葉を選ぶには役不足だとはっきり言えます。
イラストの彩音は主人公との初対面の時のもので、冷たい印象を与えますが、『悪役令嬢』から連想されるような”傲慢”等の負の印象はあまり受けません。
実際本編を読んでいると『悪役令嬢』とは真逆の性質を持っているといってもいいほどの人物でした。
ただ、自分を偽らず、常に真っすぐ”自分”を貫き通すことによる”人付き合い”の苦手さが様々な憶測を呼び『悪役令嬢』という言葉に帰結したのだと結論付けていましたが、正直もう少し当てはまる言葉は中たのか?
そんな中で主人公と過ごすことで”1人”から心を許せる”許嫁”とう存在が彩音にいい傾向を与えていたのは確かですし、少しずつ雰囲気が柔らかくなっていたのも印象的です。
実際上のイラストが物語終盤の彩音の笑顔ですが、初めのころに比べてとげが無くなった印象を受けます。
一応そこに至るまでに過程はいろいろありましたが、最近の作品よろしく今巻でここまでもってきているのでもっとしっかりした”過程”が欲しいと思った方はちょっと物足りないかもしれません。
本作の許嫁の件については導入としてはまぁ妥当な部分だとしても、主人公とその周囲の反応がなんか淡白なのが気になるところ。
主人公の鈍感設定はこの際おいておくにしても周囲の反応がここまで淡白だとどう反応すればいいか。。。
主人公との”思い出”は大切にしているのに、主人公本人に対してのアプローチというか、許嫁の件が出た時もその後もあまり動きが無いのが不気味。
せめて明確な動きがあってくれたら嬉しかったが、人がいいのか何なのか知らないが、主人公とヒロインの仲を自ら縮めようとする動きを見せるところもあるのでどういう意図でそのような動きをしたのか気になるところ。
主人公に対して恋愛感情を持っている風に見えたのにそうではなかったのなら自分の目が節穴ということでいいのですが、、、
サブヒロインっぽいのに名前しか出てきていないキャラや、主要人物の顔見世がまだで、彩音との仲をとりあえず強固なものとしたいという意図なら今回の流れは正解だと思いますし、糖分を摂取したい方にはちょうどいいかも。
なんにしろ次巻以降どのような動きになっていくかによって作品の評価が定まると思いますし、今回名前だけしか出なかった面々やヒロインたちがどう動くのか、とても期待できる展開です。