わたし、二番目の彼女でいいから。7

ラノベ

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あらすじ

もうちょっとだけこのままでいさせて。それが間違った望みでも。
早坂さん、橘さん、宮前を“二番目の彼女”として付き合い始めた桐島。だけど、こんなの茶番だと誰もが分かってた。少しだけ大人ぶった俺たちには、それでも手放せない感情があるだけで、実のところ何にも変わっちゃいない。
そんなある日、遠野は偶然、桐島の昔の恋人の正体に気づいてしまい……。
誰もが静かな破綻を予感しながら。
誰もが見て見ぬふりをして。
無情に季節だけが進み、物語はクリスマスを迎える。


おすすめ度:★★★★★


感想


 6巻のラストで『2番目の彼女』が3人に増えるという混迷に混迷を重ねる結果になり、頭を抱えることになりつつも待っていた最新刊。

 あの状態から桐島がどうこうできるとは思っていないが、Xで流れてきたイラストからもうヤバい雰囲気が漂っていましたが、読んでみて「これこれ」と謎の安心感。

 前の巻では出番の少なかった『今』カノの遠野メインの今巻。

 ”過去”と”今”の彼女たちと織りなすドロドロの恋愛物語も佳境に…

 早坂さんは”大人”になろうと折り合いをつけようと必死に自分の気持ちに蓋をしつつ、漏れ出す過去の”壊れた”感情…

 橘さんは逆に”子供”の夢をその胸に大切に大切にしまい込み、”幸せ”な未来に胸を膨らませ…

 宮前はダメ男製造機から脱却するという名目があるにかかわらず、しっかりと桐島に”依存”し、『共有』によって一喜一憂…

 そんな彼女たちをしり目に『今』カノとして本来なら揺るがない場所にいるにも関わらず桐島の心から最も離れたところにいる遠野の”焦り”がとてもよく見えた今巻。

 それぞれの彼女たちには桐島と”共有”出来るなにかがあるのに彼女にはそれが無い…

 唯一あるのは男女の究極の愛の形をまっとうな方法で行使できる”唯一”の存在というある意味一番危ない心の支え…

 早坂さんの”秘密”を偶然知ってしまってからのドロドロ感と福田君による早坂さんへのアプローチ。

 高校時代の混迷とした雰囲気が帰ってきた感じが素晴らしかった。

 そして高校時代の”事件”から成長しようと、変わろうともがき、足掻いていた桐島が4人との関係性を考え、とある人物に気づかされ、そしてラストに衝撃の告白…

 ある意味”誠実”だったからこそ進めなかった一歩を進めたように感じられた。

 正直最終章は結構クルものがあり、ここからどうなるのかとても気になる最後。

 あとがきから残り2巻ということでここからどのように着地させるのかすごく気になるところ。

 それにしても、桐島たちもそうなのですが、本作において一番幸せになってほしいのって浜波ですよねぇ…

 高校時代から彼らに振り回され続けている彼女。

 名サブキャラとして今巻は今まで以上に活躍をしている彼女ですが、本当に苦労人でかわいそうになりつつも、唯一のツッコミ役ということで今後も頑張ってもらいたい!!!

 彼女が出てくると雰囲気がゆるくなるのもいいですね。

 思った以上に長い付き合いになってしまった彼女もまた今後どのように繋がり、どのような結末を見るのか一緒に眺められたらと思います。

わたし、二番目の彼女でいいから。6

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