こんにちは♪
本日の一冊はこちら(*’▽’)
あらすじ
お互いに「好き」同士だと分かっている吉田と後藤。沙優が家に帰り、日常を取り戻していく中で改めてお互いの気持ちに気が付いていく。「今度は私から告白する」約束を果たすため、後藤は吉田を京都旅行に誘い……。
おススメ度:★★★
吉田をめぐるある意味最後の一ピースであり、ラストは予想がつくのですが、どのような過程を経てラストに持っていくのか気になる作品。
題名だけ見て買ってからというより、読んでいて残りページ数と展開から気づいたのですが、本作って(上)なんですよね…
正確な評価は正直(下)を読んで変わってくると思いますが、この恋愛の行く末が非常に気になります。
本編では後藤さんにフラれたところからスタートし、沙優との生活を経ることで人間的に成長し、また、後藤さんとは違った形で惹かれた少女。
天秤に乗った二つの”恋”はしかしどちらかにしか傾かず、どのような結論を出すのか…
後藤さんの真相
吉田にとっては唯一のヒロインである後藤さんがなぜ本編で回りくどいことをしていたかがアナザーストーリーにて判明!!!
彼女の生来の性格が災いし、平穏に、何事もなく生きてきた人生の中で、吉田に惹かれるも、”最悪の未来”を想像して一歩が踏み出せないとても臆病な女性ということがわかりました。
常にベストの選択をし続けるということは勇気ある一歩を踏み出さなければ手に入れることができない”幸運”を掴めないということ。
沙優や柚葉はこの一歩を踏み出したことで、吉田の心に踏み込んだと思います。
しかし、常にリスクマネジメントをする彼女にとってその一歩はとても大きく、踏み出せないものであり、社会人の、それも管理職ならそれでもいいと思いますが、恋愛の駆け引きでは足を引っ張る結果になっており、実際二人には先を越されているわけですし。
唯一彼女にアドバンテージがあるとすれば、吉田が後藤さんのことを”好き”という事実を知っているということ。
柚葉の場合は別ですが、沙優の件ではどう転がるか分かったものではありません。
そういった様々な”最悪”を意識しているせいで吉田の想いに応えることができていないのが現状です。
進み始めた二人の関係
「次は後藤さんから告白する」という約束があり、すでに5年間片想いを続けている吉田ならまだ待つことはできるかもしれませんが、周囲が目まぐるしく動くことで、くだんの後藤さんもついに…
そんなことはなく、ある人物の後押し(強制)によって小さなアプローチを続けていき、今巻尾ラストでは重要な選択を吉田に突き付けることに…
正直に言うとあの空気、あの展開であんなことになるなんて思わなかったです。
両想いということを知っているのだから、勢いと流れでハッピーエンドになると思ったのに…
なんにしろ下巻ではすべての決着がつくと思いますし、大きな一歩を踏み出した後藤さんですが、ある意味正々堂々としている結末で満足しています。
本編の最終巻が発売したのが2020/12なので恐らくその時には本作の構図がなかったはずですし、本作自体『Another side story』番外編なので、細かい齟齬は生じるのは自然だと思いますがあまり齟齬が生じないように書かれているのはやはりすごいですね。
勢いと強烈な後押しのおかげで先に進むきっかけをつかむことができた後藤さんですが、やはり彼女の恋の最大の障壁は一時吉田と共に過ごし、彼を返させた少女・沙優。
彼女の影が吉田の周りにある限り”最悪の未来”は払しょくされないと臆病故考え、最後の選択権を吉田に託す形に。。。
本編ラストの沙優を見るに吉田のことを諦めることはないと思うので、その選択はあながち間違いではなかったですし、吉田もまた、沙優の影にとらわれている気はします。
彼はかたくなにそのことを認めようとはしてませんけどね(^^♪
ラストでは予想外の人物が登場し、下巻への材料もすべて出そろったと思うので、すべてのカギを握る吉田はどのような結論を出すのか決着の下巻が楽しみです。