キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦15

ファンタジア文庫

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感想

――それは、聖戦に至れなかった物語。
太陽の帝国侵略をイスカたちが阻止した結果、奇しくも帝国にて三王家の王女達が集結した。魔女・イリーティアの打倒を誓う王女たちが帝国との協力を決意する中で、女王・ミラベアもまた一つの決断を迫られる。
女王の脳裏によぎるのは、かつて好敵手だった男――魔人・サリンジャー。最盛期には戦闘人形と評された彼女が如何にして彼と出会い、そして別れたのか。宿敵という名の逢瀬と、決別の筋書きで彩られた舞台――三十年前の真実が、今蘇る。細音啓が放つ大人気ファンタジー、決断の第15巻。


おすすめ度:★★★★


感想


 ついに語られる最後の2人の過去…

 それぞれ対になる過去をめぐり、それぞれの想いが伝わったが、決戦を前に最後の一ピースがここに…

 要所要所で登場したサリンジャーの行動の意味もここで明らかに…

 いったい彼らの過去に何があり、どのような結末をたどって”現在”に至ったのか…

 個人的に一番気になっていた二人だけに楽しみでした。

 まず思ったのが、『サリンジャーの扱いが雑(笑)』ということ。

 女王としての彼女しか登場していなかったのだからしょうがないが、今と昔とのギャップが激しい幼き王女に翻弄されるサリンジャーの姿がとても面白かったです。

 既読の方やアニメを視聴した人は彼の性格を少しはわかっていると思います。

 はい、振り回すことはしても振り回される姿なんて想像できません。

 そしてそのうちに秘めた女王への想いゆえ、自ら楔になった恐らく最も真実に近かった人物。

 確かに彼の言動はいろいろ”知っている”感じはありましたが、どこまで知っているかはわかりかねていました。

 そんな”聖戦”に至れなかった二人ですが、高め合うという意味ではとてもお似合いだと思いました。

 星の中心に救う元凶ひいては”化け物”になってしまった元第一王女イリーティアとの決着のための下準備は整いました。

 交わることのなかった三つの勢力が一つとなって決戦へと続く次巻以降がとても楽しみです。

 もちろん、3面作戦になると思うのでどこから濃い描写になるかはわかりませんが、どこも一筋縄ではいけないと思いますし、相手も相応の対策をしてくるのは目に見えています。

 恐らくタイトル回収になると思う次巻以降の展開が本当に楽しみです。

キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦14

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