ママ友と育てるラブコメ

ガガガ文庫

 こんにちは♪

 本日の一冊はこちら(*’▽’)

あらすじ

JKとの子育ては、慌ただしいけど尊い日常。
昏本響汰は、3歳の妹が大好きなシスコン高校生。両親が共働きで家事育児もこなす。
暁山澄は容姿端麗、頭脳明晰な孤高の少女。その存在感で何人たりとも寄せ付けない。
ある日妹の入園式に参列した響汰は、頬を紅潮させ、カメラマンばりにシャッターを切る澄の姿を発見する。「郁、なんて愛らしいの……」彼女も、超ブラコンなお姉ちゃんだったのだ!
お互い妹・弟の世話をしていることを知り、徐々に仲が深まっていく。料理、幼稚園の送り迎え、休日デート。そう、まさに二人の関係は“ママ友”だったーー。
子育てラブコメ堂々開幕!


おすすめ度:★★★★

一言:似た境遇の2人が『子育て』を通じて仲を深めつつ、幼い兄妹(姉弟)を愛でる作品で、終始ぶれることがない響汰と響汰を意識していくすみを見てやきもきできるちゃんとしたラブコメです。


感想


 親の代わりに幼い妹(弟)の世話をし、その妹(弟)を溺愛する2人が出会ったことで、秘密を共有し、仲を深めていくという両方というなかなか見ない組み合わせ。

 新刊をチェックしてた時に『ママ友』というある意味パワーワードを見つけて購入してみました。

 少しでも興味を惹かれたら読んでみるのが一番だよね♪

 衝動買いした作品ですが、妹の無邪気さ、弟の年相応の強がり、墨の不器用すぎる生き方ととても面白かったです。

 主人公である響汰は裏表がなく、オープンなシスコンで、世界の中心は『妹』だと本気で思っているような人物ですが、周囲の友好関係等も割としっかりしており、大人でもなかなかできない両立をしっかりこなせていると思えるほどの器量を持っています。

 思考というか言動が『妹』を中心としているのでうざいと思う人や、読みづらくなる人もいるかもしれませんが、そういう考えだからこそ重い展開もすぐに明るい話題転換ができる、結構優秀な主人公。

 欠点と言えば『あたま』くらい?家事と妹の世話を考えるとしょうがないと思えなくもないが、せっかくの学園生活なんだから勉強をあまりないがしろにするのは…

 そんなオープンで柔軟な響汰と対照的な澄というヒロインは『子育て』との両立がうまく出来ない人を表現しているようなキャラになっていました。

 彼女の行動を見ていると、もう少し肩の力を抜けばいいのにと思うことが多く、実際響汰も同じようあ感想を抱いていたので、恐らく読んだ人の多くが共感するのではないでしょうか?

 ”完璧”を求めるばかりで空回りを繰り返し、”不器用”なくせに人一倍頑張れてしまう、典型パターンです。

 実際、『家事』・『子育て』・『勉強』・『睡眠』とやることがあって(人によって『』は違いますが)、時間が限られている中で多くの人が削るのは『睡眠』だと思います。

 彼女の心境を考えるならそれもしょうがないと言えてしまう理由が語られますが、周りに頼れる人がおらず、不器用故、他人を頼ることもできない彼女の心労もすごかったと思います。

 そこで、突如沸いた同世代の『ママ友』との出会い。

 形はどうあれ”秘密”を共有した2人は誰よりも深い関係に。そして、お互いに惹かれあったら両片思いというおいしい展開に…と思っているにも関わらず、響汰は澄のフォローはしますが、そんなそぶりはなく!!!

 澄はいろいろしてくれる響汰に少なくない興味を持っていくというこちらはおいしい展開になっていってますが、まだまだ面白くなりそうな予感。

 澄に関してはまだ気になる男子、という程度でしょうが、今巻のラストではもう少し踏み込んだか?

 彼女の今後の対応についてはとても楽しみです(・∀・)ニヤニヤ

 2人の今後の関係についても楽しみですが、本作の楽しみ方としてはやはり幼い子供の話題は欠かせません。

 響汰の妹の「想夜歌そよか」は天真爛漫な幼女で、元気いっぱいの女の子で、その奔放さで響汰を振り回す姿は何ともほほえましく、要所要所で響汰を導く姿は将来が期待できます。

 澄の弟の「いく」は年相応というよりはちょっとませたお年頃。

 素直になれず、望む結末に響汰が誘導する姿が印象的ですが、とても姉想いのいい子です。

 そんな妹・弟を溺愛する2人が、今後その関係を進展させていくにはどうやって行くのか?

 まずは響汰の意識を澄に向けさせつつ、想夜歌からずらすことが重要?

 自分の非を認め、背伸びをやめ、響汰以外の協力者や友人を得ることができた澄の成長がよく見えた今巻。

 次巻が発売されれば今回見られなかった全く違う顔が見え、今巻よりも精神的に成長した姿がしっかりとみられるようになると楽しみにしています。

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