顔さえよければいい教室 1.詩歌クレッシェンド

ファンタジア文庫

 こんにちは♪

 本日の一冊はこちら(*’▽’)

あらすじ

音楽、ダンス、ファッション――あらゆる分野の天才が集う芸能学校・私立繚蘭高校。
 だがその実態は、「顔」をはじめとした外見ですべての評価が左右される教室だった。
 俺の妹・池袋詩歌はヒキコモリで、兄ナシでは生活できない要介護人間のせいか、配信のセンスもスター性も壊滅的。
 この学校では最弱かと思われた。
 だが俺は知っている。ネットで顔を隠して伝説になったVSINGER。その正体こそが詩歌だと。
「――青、この曲の色。私はそれに合わせて歌うだけ」
 ゆえに詩歌の歌声は唯一無二。学校のあらゆる常識を覆し、彼女の才能は見出されていく――!


おすすめ度:★★★★★

一言:タイトルに真っ向からぶつかるような内容で、最後には爽快感がある作品です。


感想


 『いもうざ』・『義妹生活』などを出されている三河ごーすと先生の新刊ということで今回購入したわけですが、本作もとても面白かったです。

 昨今の動画配信というコンテンツを生かし、”注目度”を可視化して将来のための踏み台にするという斬新な設定の上で、容姿はこれ以上にない武器の1つだと思います。

 実際”顔出し”の動画を見る際に相手の顔を見てから見るか決める人も多少なりともいる?(正直ここらへん自分は動画をほとんど見ないのでわかりませんが・・・)

 それでも、テレビなどで見かける人は多くは”顏”がいい人が多いというのは事実だと思いますし、それ以外だとある一芸が秀でているなど、その人にしかない”特別”が多くを占めていると思います。

 そういったものの中を『才能』という”特別”を駆使して成り上がっていく話だったので、個人的にも結構好みで、『歌』がテーマになっていたので、特典とかでもいいので音源出ないかなぁと・・・(期待)

 物語の語り部は『兄』ですが、主役はあくまで表紙を飾る『妹』ということで、第三者視点で主人公の活躍や、主人公を裏から支える姿は見えますが、裏方が活躍する場面はことごとくカットされるという徹底ぶり…(ラストで『兄』の活躍が見れるのかと多少期待したのに…)

 物語の序盤はこの兄妹が結構某「  」に似ていると思いながら読んでいましたが、あちらよりはまだまし?だった?

 食生活などは置いておいて、こちらの兄は何と健康に気を使える人間だった!!?

 自分も結構そうだったのですが、仕事が無かったり、休みだったりするとほぼ家でごろごろするか出かけても室内だったりしますが、彼は何と引きこもりの妹にすら”健康のため”に週1で外に出ることを”約束”するという…

 先生のこれまでの作品とは違った兄妹の形が素晴らしエピソード…もちろんほかにもいろいろありますが、本作でいえば、『兄』が『妹』を溺愛する姿が見られます。

 さらに、兄妹を取り巻く周囲の人物たちも魅力的な人物が多く、

 とても都合のいい便利屋になっているちょっとかわいそうな同級生。

 メジャーデビューが決まっている、今巻の騒動の中心の女生徒(『妹』の初友達)

 そして、上記の女生徒となにやら確執のあるイケメン作曲家。

 恐らく彼ら悟今後の話の中心になってくるのは間違いないと思うのですが、いったいどのような騒動を巻き起こすのかとても楽しみです。

 きっと何があっても妹ちゃんはマイペースに過ごしてくれるとは思いますが(笑)

 あと、『兄』に対して並々ならない興味を抱いている『生徒会長』はどのタイミングで話に深く関わることになるのかも楽しみの一つとして今後の展開が楽しみな作品です。

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