こんにちは♪
本日の一冊はこちら(*’▽’)
あらすじ
「何が問題ありません、だ!問題しかないじゃないか!!」
実家との板挟みでリオンの重荷になっていると感じたアンジェは、自ら身を退くことを考えていた。
リオンもまた自分の存在がアンジェを縛っていると考え、
いっそ婚約破棄をした方が彼女のためになるかもしれないと思い悩む。
ぎくしゃくとした空気が流れる中、リオンは宝探しを目的とした冒険の旅を計画する。
そこにマリエや王子、ジェイクたちまで乗っかり、
いつしか争奪戦へと発展していくのだが……。
イケメン死すべし!
モブから始まる、乙女ゲー風異世界ファンタジー!!
おススメ度:★★★★★
所感
アニメも放送され、波に乗っている『モブせか』も大台の10巻!!!
今巻はweb版からも含めて珍しいアンジュがメインの巻となり、現代日本人の考え方が抜けきらないリオンと、貴族としての在り方を求める周りとの温度差がいい塩梅に。
アンジュがどういった経緯と覚悟で今後もリオンと共に生きると決めたのか。
価値観が違うことで生まれたすれ違いの行方は締まらない格好になったが、珍しい話が多い巻なので、web版を読んだ方も楽しめる内容になっているかと。
そして周辺国が動き始めたことによって物語もクライマックスへ…
今後も目が離せない作品になっています。
感想
表紙からもわかる通り、アンジュが前面に押し出された珍しい巻。
リオンを支えようと陰ながら動く姿はたびたび目にしてきましたが、ここまで詳細に描かれることは今までなかったと思います。
リオンの考え方や価値観というものが世界に染まっておらず”前世の価値観”のままという部分が一番の障害になっている話ですが、様々なことを忘れているにもかかわらず、”価値観”だけ引っ張られているのは結構疑問に思うところ…
貴族社会という根本から違うせいで適応できなかった?それとも元々隠居じみたことをして貴族とは距離を置くことを考えていたからそもそも適応しようと考えて無かった?
なんにしろ、その価値観のせいでアンジュとのすれ違いが発生し、窮地に立たされているんですけどね♪
ここらへんweb版ではあまり触られることがなく物語が淡々と進んだため結構面白かったです。
珍しいといえばここまでしっかりとした描写の”冒険”も結構珍しい。
今までもそういったシーンがなかったかと問われると、一応アニメでもやった最初のほうのダンジョン探索や、聖樹の地下ダンジョン、ルクシオンを手に入れるためにした冒険等、回数自体少なく、ダンジョン探索に至っては、ほぼダイジェストのような感じで必要なアイテムを手に入れるために消化しただけという結構味気ないもの。
それが今回は結構がっつりとしたものが描かれており、今までとは違った楽しみ方ができました。
さらに、そこから見えてくる各ヒロインの隠された?性格やほぼ出ることがなかった戦闘方法なども描かれていたところも高評価です。
・・・ノエルってweb版も含めて戦闘描写あったの初?
そんな感じでヒロインの隠された素顔だったり、戦闘描写といった今までとはちょっと変わった話ではありますがとても楽しく読めました。
そして、とうとう周辺諸国が動き出したことで物語自体クライマックスに向けて動き出していくのだと思います。
今巻は幕間のような感じで物語自体は進んでいませんが、ヒロインとの絆を再確認するとても有意義な巻でしたし、嵐の前の静けさという意味でも最後の平穏を感じられたかと…
web版からかけ離れ、どのようなラストになるかはわかりませんが、今後も楽しみな作品です。