こんにちは♪
本日の一冊はこちら(*’▽’)
あらすじ
夏休みがやってきた。藍衣や薫たちと海水浴に行き、高校生らしい夏を満喫する結弦。そんな中、壮亮が「文化祭で一緒にバンドをやらないか」と皆を誘う。楽器に触ったこともないのにドラム担当に決まってしまい結弦は戸惑うが、壮亮にはみんなで思い出を作る以外にも思惑があるようだった。それは、ベース担当に名越李咲を迎え入れるというものだった。だが、その誘いを李咲はすげなく断ってくる。李咲の過去と、壮亮の想い。そして“音楽”にまつわる感情が複雑に絡まり合い、知られざる“後悔”が顔を出す。対話を拒む存在に気持ちを伝えるには、果たして、どうすれば……。激情渦巻く、恋と対話の物語ーー第三弾。
おススメ度:★★★★★
シリアス前回の本作も早くも3巻。
今巻では前の巻で登場した屋上で出会った先輩との話になるが、昔音楽をやっていたのでなんとなくですが、作中で言っていることがわかる気がします。
今巻の”後悔”もまた結構重たいもので、どうすることもできない問題ですが、それでも前に進んでほしいと周囲の人たちが何とか前に進んでもらおうと必死になる姿はどこか切ないものがありました。
今巻もとても切ない物語になっていますが、それでもとても面白い作品です。
おすすめポイント
・今回の”後悔”という名の過去
・積極的になった薫と自分の気持ちを伝える藍衣
・ラストの今巻の集大成となるライブシーン
感想
今巻もまたなかなかえげつない”後悔”を背負い、それをどのように解決していくのかとても楽しみにしていました。
もともと初登場時からつかみどころがなく、なぜリストカットという”負”を自らに課しているのか…
謎が多かった人物ですが、そのすべての理由が明かされ、すっきりしつつも結構胃にくるものでした…
今回メインとなる李咲がもともと音楽をやっていたことから音楽を主軸にした話の構築になっていたのですが、昔音楽をかじっていたことがあるので、楽器の難しさはとても共感できます。
そして、李咲の”後悔”もまた、そこにあり、自分が好きだったものが嫌いになる瞬間って本当にきついと思いますし、本当に嫌いになれるかはその人次第だと思いますが、李咲にとって音楽は…
由弦のひたむきに練習する姿と少しずつ内心を暴いていくような話術によって、その心を揺さぶられるのはとても厳しかったと思いますが、それでも周囲の人から望まれるその心境は本当にどうだったんでしょうね?
作中ではもちろん李咲の内心をしっかり表現されていますが、正直もっと様々な葛藤があったと思いますし、それらの葛藤があり、心の扉をこじ開けられる寸前まで行ったからこそ、ラストのシーンでは感情のままに行動したと思いますし、自分のその感情に振り回されたのだと思います。
さて、一応ジャンルがラブコメということで1巻でお互いの立ち位置を再定義し、お互いのことをちゃんと知っていこうと決めた藍衣と由弦、そして、2巻で自分の思いのたけを結弦に対して宣言し、アプローチが過激になった薫。
2人の美少女からアプローチを受けているが、その心は藍衣に向いている由弦だが、薫に対しても真摯にその気持ちを受け止め、自分の気持ちがどのように動くか今後に期待ですが、このままの関係で行ってほしいですね。
まとめ
今巻も登場人物たちの描写がとても綺麗で、面白かったです。
今回の”後悔”も重く、家庭事情に深く関わる件でしたが、しっかりと線引きをし、最後の一線を越えないように行動しているあたりもとても好感が持てます。
ラストでは次巻に向けて衝撃的な展開があったので、今度はいったいどんな”後悔”が待っているのか…
シリアス展開が好きな人はとても楽しめる作品だと思いますし、次巻も楽しみです。