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あらすじ
季節が巡っても、隣で肩を並べて笑い合う二人。 ――この人を、愛してる。
「俺が作った料理を幸せそうに食べてもらえるの、好きだなって思ったんで」
一人暮らしの高校生、夏臣は留学生で隣室に住む少女、ユイに合鍵を渡して正式な交際を始めていた。季節も秋が過ぎ冬へと向かうころ、進路決定のため、将来はどんなことをしたいのか考える二人。
夏臣の母親の急な来訪や、クリスマスのデートを経験して、ユイと過ごす日々が当たり前だけどかけがえのないものだと実感した夏臣は、ある決意を口にする。
そんな時、ユイの姉ソフィアが再び来日して、ユイと一緒にモデルの仕事をすると言い出して――
夏臣たちの親友、慶と湊の関係も進展!? 甘い日々が未来へと進む、第4巻!
おススメ度:★★★★★
感想
まずは、無事本編完結おめでとうございます!!!
冒頭とラストで夏臣とユイの考えが記され、とても哲学的だとは思いましたが、1巻から最終巻であるこの巻までの内容を踏まえて冒頭とラストを読むと二人の成長がとても実感させられる一文でした。
恋人となり、1巻の時点でタイトル回収も終わっていたので、あとは二人の熱愛を見るだけという形ですが、今巻は1年という期間をこの一冊に凝縮され、基本的にはダイジェストのようにすごく簡単に時の流れになっているが、その分重要な要素では濃密な内容になっていた印象。
そして、ラストと裏表紙は二人のまだ見ぬ”未来”を、そして、そこまでの強固な絆を築いた二人の関係性を描いたとてもいいものでした。
物語は1年経ち、もう一度春、高校三年という将来を決める岐路に立たされる彼らはいったいどういう選択を取っていくのか…
昔ほどでないにしてもやはり大学卒業というのは一つのステータスとして、就職の選択肢が少し広がるのが常です。
それに対して作中の彼らはいったいどのような選択肢を取るのか…
”将来”というものを考え始めたいつものメンバー、ユイは今までの経験と『母親との思い出』から教育系へ、慶は最初の目標から目を背けることなくお店を継ぐため経営の勉強を、そして湊はサックスプレイヤーとしての活躍と今まで何気なく語っていた”夢”や”将来”を周囲が認識している中夏臣には『なりたい自分』がイメージできず、苦悩することに。
慶の母親の再婚と共に店を引き継ぐテストという名の壁を手伝う中でそれぞれの問題点と将来における展望も見ることができ、新たな課題、新たな目標と今まで成長を見つめていた彼らのさらなる成長をこんなところでも見ることができるとは…
そして湊はサックスプレイヤーとしての道が開けるも、”本当に大切なもの”と共にあるというとても素晴らしい道へ…
どちらを選ぼうとも茨ではあると思いますが、大人からの援助や好きな人がそばにいることで支えてもらえるという精神的な支柱があるのは大きいですね。
夏臣・ユイカップルが天啓的バカップルだとしたら慶・湊カップルは落ち着いた雰囲気のカップルという感じで、どちらもある意味理想的な二組です。
ページ数的に難しいのはわかっていましたが、慶・湊カップルの日常もとても知りたい。
付き合い始めた二人の1年というダイジェストですが、この二人だけならただただ甘い…
元々夏臣の言葉に対して耐性0のユイがことあるごとに翻弄される姿が本当にエモすぎてやばかったです。
そして、夏臣の母親が来襲したことにより発覚した二人の”本当の”初対面と”約束”のため、将来を見据えて行動する姿は見習いたい姿ですね。
作中の一年を振り返り感情豊かになったユイ。1巻からの表紙を振り返るとその巻の二人の様子が思い起こされます。(twitterで作者様からの返信で振り返ってみました。)
すべての結果が出そろった時、タイトル以上の展開に…
最初から読んでいてとても心温まる作品だったので、未読の方は是非読んでみてください。