戦鬼と戦姫の聖災戦争

MF文庫j

こんにちは♪

本日の一冊はこちら(*’▽’)

あらすじ

鬼と、鬼討。平安時代からの千年に亘る宿敵である彼らは、現代でも激しい闘争を続けていた。鬼の始祖の末裔・童貴は伝説の鬼討“ライコウ”の子孫・一条朱璃と幾度となく戦いを繰り広げ、今宵も二人は邂逅し殺し合う──はずだったが、(来てくれた──やっと、朱璃が俺を殺しに来てくれた!)実は童貴は、強く美しい朱璃にベタ惚れだった。さらに朱璃も満更でもなさそうな雰囲気!?童貴は想いを抑えきれず、朱璃が通う鬼討の養成機関“学院”への潜入を決意する。しかし、再会した朱璃は”裏切りの鬼討”として両手両足を鎖で縛られていて──?鬼の少年と鬼を狩る少女による和風ロミジュリ活劇、堂々開幕!


おススメ度:★★★★


鬼と人間との争いが続く中で、立場の違う2人が織りなす物語。

設定自体は某コミックがどうしても頭をよぎりますが、それを補ってしっかりとした作品になっており、短編としてもすっきりとした終わりですし、長編になるにしても明かされていない謎が複数存在するので次へとつなげやすくしているのは素晴らしいと思います。

立場の違う者同士の恋物語が好きな人は好きな作品かもしれませんね。

普通に敵対関係から始まった物語ですが、そのまま対立しつつ要所要所で協力して敵対する鬼や人を倒していく流れかと思ったのですが、次の場面でそんな予想はひっくり返されることに。。。

プロローグの場面で立場を危うくし、軟禁されることになる朱璃を助けるために鬼狩りの本拠地へ単身潜入するという結構すごいことをやらかす童貴の行動力にはあきれを通り越してしまいますし、潜入するための方法がまたすごい。。。

どのような情報網で朱璃が軟禁されていることを知ったかはわかりませんが、愛する女性のためとは言え虎穴に入るのはいかがなものか?

確かに「虎穴に入らずんば虎子を得ず」といいますが、解決策もなしにとりあえず潜入するというあたり見境がない?

もちろん、朱璃を助けることが第一目標になっていますが、副産物として、鬼狩りがどのように鬼に対抗しているかなど相手の内情を知ることができる点は戦略的に見ればとても合理的だと思います。

そして、そこで出会う気のいい仲間たちと共に一時の平穏と敵情視察、そして童貴と朱璃の周囲を取り巻く陰謀に身を投じていきますが、平穏な部分に関しては普通に青春を送り、鬼狩りの訓練を共に行うことで相手のノウハウを学ぶという敵情視察もついでになっています。

その中で厄介なのがやはり陰謀の部分。

ヒントがそこらかしこに散らばっているのですが、登場人物たちの行動からなかなか犯人が割り出しずらいことになっています。

1巻ですし、短編になるかもしれないので、すっきりとしますが、今回の一連の事件以外にも関わっているものがありそうなので、そこは気になるところ。

とりあえず、鬼狩りの上層部の一部は過激派かどうかはわかりませんが鬼と繋がってそうな雰囲気はありますね。

一方朱璃のほうも最初から童貴に恋をしている状況なので後はその想いをどのように伝えるかですが、立場が邪魔をして言えないというおなじみのパターン♪

童貴が一生懸命朱璃の拘束を解こうとしているにもかかわらず朱璃本人はあまり切羽詰まっていない状況に疑問がありましたが、最後の最後でその理由も明かされますが、その理由もいじらしくてよかったです。

また、朱璃が本作のメインヒロインのはずなのにあまりに動きがなく(自分の目的からも、政治的観点からも動けない状況)、童貴の相談役といった立場での行動がメインになっていたので、彼女の活躍は今後に期待です。

今巻だけでも様々な思いを持った人が登場し、また去っていきます。。。

最初に童貴を襲った犯人は不明ですし、朱璃の問題も解決のめどは立たず、しかも今回の黒幕は一番おいしい思いをしてたりと話のタネは尽きないので、是非2巻以降続いてほしい作品です。

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