これはあくまで、ままごとだから。

ラノベ

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あらすじ

とある事情で地元を離れて親戚の家に身を寄せることになった蒼一朗。そこで再会したのは遠縁にして幼なじみの深紅。小さいころ、「おままごと」に強引に付き合わされた仲だった。
そんな彼女から、あの時と何一つ変わらないノリで提案されたのは――。
「久々に恋人ごっこ、してみたくならん?」
「お、懐かしいな。やろうやろう」
最初はただ楽しくバカップルを演じるだけだった。だけど徐々に過激さを増していき、抱き合ったり、キスしたりもするようになる。真剣に演じる「ままごと」にのめり込み、やがて本音と建て前の区別がつかなくなっていく。お互いにとってはあくまで「ままごとの好き」だから、決して「本気の好き」は口にできないまま。
終わりのない恋愛ごっこによって揺れる、二人の隠された想いとは。


おすすめ度:★★★★


感想


 タイトル見た段階で、地雷臭を感じられる作品。

 『恋愛』と『嘘』、そして『家族』がメインに感じられる作品だが…

 主人公とヒロインがそれぞれ違った形で『嘘』を表現しているのもポイント。

 恋愛感情を『嘘』で塗り固めているだけならそこそこあるのだが、過去の”出来事”によって関係を『固定』させてしまっているからこそややこしくなっている。

 そして、『固定』させ変化を”望まない”ことで生まれた歪な関係はどんどんおかしな方向に…

 主人公は一歩を踏み出そうと、結局状況に流され、”変化”を遠ざけつつ、自らの気持ちに”蓋”をして自己嫌悪を繰り返し、

 ヒロインは『ごっこ遊び』にしょうじて『本音』を『嘘』に変換して伝えることで押さえていた気持ちが、最後にはヘドロのように濁った形に変化した。

 そしてまた、そんな二人に感化されてしまったサブヒロインにも問題が発生していて…

 それぞれがどこまで堕ちていくのか気になるが、それよりもドロドロしたものがこみ上げてくるのは何とも言えない感情に…

 『二番目彼女』が好きな人には恐らくぶっささる作品だが、最初から”壊れている”あたり2巻以降に期待。

 『本音』を封じた彼らがこの先どのような関係性になっていくのか楽しみでもあり、怖さもあります…

 ドロドロした作品が好きな人は是非読んでみてください。

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