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あらすじ
シスコン高校生水野瑛樹は、姉から「彼氏ができたの」という最悪の報告を受けた。
姉を奪った男を見極めるため、デートを尾行していると……同じように二人を監視する怪しい影が。
その正体は、美少女なのに大の男嫌いで有名なクラスメイト・羽瀬川碧依だった!
「まさかお前がブラコンだったなんて」
「まさかあんたがシスコンだったなんてね」
大好きな姉&兄を破局させるため共闘関係になった二人は、兄姉カップルを追いながら偽の恋人としてデートすることになって……碧依は瑛樹のほっぺにちゅっとキスした。
「あんただけは……特別」
ブラコン×シスコン、相容れないはずの2人の相性はバッチリで……!?
大人気Youtube漫画発、ムズきゅんラブコメディ開幕!
感想
ブラコンとシスコンが混じった結果どうなるのかという頭が悪そうな面白い設定で、実際2人の会話の8割程度がそれぞれの姉と兄の内容という混ぜるな危険状態(笑)
その分お互いが身内に対してどのような思いを抱いているのか十二分に理解できたが、、、その行動には目が当てられない部分も…
そんな2人が織りなすむず痒いラブコメは兄姉カップルも含めて1冊で2種類の味が楽しめる内容に!!!
シスコン・ブラコンの共闘?ラブコメ
2人の出会いというか絡む始まりからして予想の斜め上をはるかに超える状況にドン引きしながら読んでいました。
タイトルからヒロインがブラコンという情報があり、どんなきっかけでその秘密を知るのかと思ったら主人公もシスコンという同じ穴の狢…
思考も似た者同士で、どのようにこの仲が深まっていくのかと思いきや、まさかの共闘…
共闘するうえでの相互理解の方法も常人では理解不能の姉(兄)自慢から理解を深めるという徹底ぶりにはもはや脱帽。
確かに自分が好きなことを否定されず、さらに似た思考をしている人がそばにいれば承認欲求も満たされ、仲間意識も芽生えるという点では大正解の方法だと思いますが、共闘する理由が理由だけに共感は持てそうにないですが、話としてはぶれることがなくとても面白い設定です。
あとは”共通の目的”をもって”共通の時間”を過ごすうちに最初の険悪なムードもなくなっていき、結構いい雰囲気の時もあり、距離の縮め方も結構じれじれしていい感じに。
行動を共にしていくことで雰囲気が徐々に柔らかくなり、自分の感情に振り回され気味な碧依がとてもいい感じでした。
”家族”としての距離感
主人公・ヒロインともに超絶シスコン・ブラコンということで、それぞれ姉(兄)に依存のような形になっている2人ですが、姉や兄はその想いに気づいており、将来のことも考えているのがよくわかり、”家族”としての距離がとても考えられており感動することに。
両親が忙しく昔から姉のそばにおり、ずっと姉の隣には自分しかいないと思っていた瑛樹だが、恋人ができたことによりその場所を奪われることに。
嫉妬という感情はもちろんあるが、「姉の幸せ」を願うならその出来事は祝福すべきことと理性ではわかっていても感情が追い付かないというよくわかる状況に常に悩むのはすごいことだと思います。
もちろん素直に祝福できないから結構きつい行動を取っていますが、そのような状況でも自分を納得させるだけの材料を探すのはどれほどの苦痛だったのか…
最終的には姉との会話により”答え”を見つけ人として成長する姿がこの一冊にありました。
一方碧依もまた兄に対して瑛樹以上に依存している状況で、いつか離れることになるということを理解している兄の想いもよくわかります。
それぞれ兄妹のことを想いあっている2組の”家族”としての距離感の出し方は本当に素晴らしく、その”答え”もまた素晴らしかったです。
最後に
一つの納得する”答え”にたどり着き、一旦落ち着いたと思っても十何年磨かれたシスコン・ブラコンはぶれることなく進むかと思いきや、それを口実にしているだけ?というラストに(笑)
姉・兄カップルの様子は2人を通してよくわかりましたが、これ瑛樹&碧依も同じくらいいちゃつくようになるのか?
最初のころとは打って変わってどこかつきものが落ちたような碧依が今度は瑛樹に対してどのように意識していくようになるのかとても楽しみなところ。
2組のカップル・家族がどうなっていくのか今後がとても楽しみです。