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あらすじ
少年は初恋を拗らせていた。最愛の受付嬢に告るため、ギルドに通い詰めては依頼を受注。驚異の達成率100%で、気づけば最強の称号まで得ていたのだが……「それより、あなたを攻略できるクエストはありますか?」
おすすめ度:★★★★
感想
ファンタジーメインに純粋な一途な恋を添えたとてもすがすがしい内容でした。
過去の”恋心”を抱き続け、再開後もどんなに冷たくあしらわれても何度も何度もアプローチを繰り返すという強靭な心をもつ主人公と過去の”罪”の意識からそんな想いに応えられないと心を閉ざしたヒロインが最後にデレる場面は最高でした!!!
戦闘シーンに関しては少し味気ない感じもありましたが、ラストの戦闘シーンに関してはヒロインの”過去”に関係がある関係上しっかりしていたのもいい感じに。
話のテンポはよく、徐々にヒロインの態度が軟化していくのもいいですが、ほかのヒロインがすでに負けが決まっていたのでちょっとかわいそうではありました。
今までクールでさらに目的の達成だけを目指してきたヒロインがその心を掬われ、心の底から笑うイラストと彼女の次なる”目標”が尊く、2巻というよりもアフター的なものが読みたくなるラストでしたが、単話としてとてもよく出来ているので一途な恋愛が好きな人におススメです。
過去に危険な状態から救われ、師事されたされたことにより惚れた主人公が、突然目の前からいなくなった女性を追いかけ続けるというのもすごく、確かにその期間に比べればどんなに冷たくあしらわれても相手のそばにいられるだけで幸せを感じられるのは納得か?
それほどの一途が故周囲からの好意については本気で気づいておらず、彼を慕うほかのヒロインが不憫に思えるほど。
基本的には有能なのだがヒロインのことになると頭が弱くなるというお約束は外しておらず、そこもいい味を出していました。
10何年一途だったことからもわかる通りとても頑固な性格は所々に出ているが、恋愛以外においては結構柔軟な考えも持ち合わせており、初めての弟子ができる際もギルドの担当受付がヒロインかどうかで決める柔軟性?を発揮したのもポイント高い?
一方ヒロインについても主人公に負けず劣らずの頑固者…
過去に囚われ、”いつか”のために雌伏の時を過ごす彼女の心はどういったものだったのかは想像できませんが、終盤まで笑顔が無かったのと、主人公の過去の邂逅から想像するしかないが、心を閉ざすにはそれ相応の過去があることがうかがえる。
そんな彼女がどんな経緯にしろ主人公に対してその心を開き、少しずつ態度が軟化していくときには思わず漸くかと思ったレベル。
しかも、ようやく一歩進んだかと思っても完全にはその態度を変えることが無いという点からも彼女の意志がどれほど固いのかわかるところ。
そんな頑固者師弟が恋仲になったらどんなカップルになるのかちょっと気になるところ。
しかもお互いに相手を幸せにすると決めているあたりが手に負えない…
とても綺麗に終わりこれ以上先が無いような感じではあるのですが、短編という形でいいからその後が気になる…
一途な愛を貫き通すというとても素晴らしい作品でした。