こんにちは♪
本日の一冊はこちら
あらすじ
『クラスで二番目に可愛い』朝凪海と俺・前原真樹は、いわゆる“友だち以上恋人未満”の関係にいた。
ちゃんと告白して恋人になりたい――そんな決意で海をクリスマスに誘ったところ、イブはウチの高校と女子校との合同パーティがあるらしい。
しかも野球部の関くんが天海さんを誘いたいらしく……その協力を申し込まれ!?
テストのこと、手伝うことになったパーティの裏方仕事のこと、そして離婚した両親のことも――忙しいけど、海のおかげで前向きに思えている自分がいて。
二人っきりの時間は登下校と放課後と、初めての休日デートで。
日陰男子と2番目ヒロイン、二人のペースで距離が縮まる第2巻!
おすすめ度:★★★★
感想
1巻ラストで友達以上恋人未満の何ともじれったい関係に落ち着いた真樹と海。
今巻では2人の距離が徐々に縮まるとともに、1巻では”友人関係”についてがメインだったのが、今巻では”家族”について考えさせられることに…
離婚した真樹の父親の登場から、心を乱し続ける真樹。
そんな複雑な心境の中突如発生した海の家族との交流で、過去にあったであろう自分の家族の”幸せ”な時間を突き付けられ…
”家族”との付き合い方を考えさせられ、そんな絶妙な心境であっても彼をそばで支え、心が壊れないように献身した海の懐の広さに感動。
クリスマスという聖なる夜に真樹はそれぞれの関係に決着をつけ、一つ大人になっていく姿は、当初のそして、本巻の終盤までの彼とは違った力強さを感じさせられました。
『友達以上恋人未満』という関係から正式な『恋人』となった真樹と海の今後がとても楽しみ。
海と友好関係を築き、文化祭の成功と共に今まで築いてこなかった友好の輪というものを広げ、1巻のころから比べれば雲泥の差となった真樹の友好関係に更なる変化が!!?
今回真樹の友好関係に入ってくるのは今までは海関係で女性陣が多かったが、なんと”男”友達。
声を掛けられたきっかけは不純なものだが、その内情は本物で、彼の人の好さがとてもよくわかります。
そしてある出来事がきっかけとなりクラスカーストという檻に固執していた自分を顧みて友好関係を見直し、真樹と本格的に付き合うように。
正直男友達が増えたことで、真樹としても今後いい影響が必ずあると思いますので、いい傾向だと。
万人の友人より、長く付き合える友人を一人二人作ることのほうが、人生においてとても大切なことだと思います。
社会に出ればそんな心を許せる友人を作る機会も減るので、ここで作れたことは本当によく、変わろうとしている真樹にとってもターニングポイントになるのでは?
彼の活躍については今後にも期待。(男同士でしかできない会話ももちろんあると思うので、そういうのが増えるのもいいですね。)
きっかけはとても些細な事で、たまたま離婚した父親と出会ったことから始まった今巻のメインとなる”家族”という関係について。
前原家がどうして離婚という結果になったのかは最後まで明かされませんでしたが、恐らく真樹に何も背負わさせないためにも明かされないことは正解だと思います。
それでなくても、『どちらの親についていく』という子供にとって答えずらい問にやはり答えられなかった真樹からしたらそんな重荷をさらに乗せられたら今のように成長したかすら怪しいところ。
真樹にとって”家族”とはとても仲が良く、転勤による転校が多くてもずっとそばにいる大切な存在だったとわかりますし、父親に対しても嫌悪感を持っていないこと、逆にその背中に、頭をなでられた手に情景を思わせるほど良好だった突如失われたのはそのような環境に陥ったことが無いのでどれほどの想いだったかはわかりかねますが、心に相当な負担がかかったのはわかります。
そして、”家族”について悩む中海の”家族”と交流する機会に…
そこで見られたのは自分が”過去”にあったはずの”幸せ”を体現したような家族団欒。
その情景をみせられ、心が崩壊したところに、海による『全肯定』という甘い囁き…こんなの我慢できるわけないだろ!!!
海からの肯定、海の父親との会話をへて真樹の中に何かが芽生え、恐らく最初で最後の「わがまま」を家族に対してすることに。
どのような形であれ、初めての「わがまま」は心に残るもので、真樹の成長が目に見える形に。
今後父親が出てくることはなくなると思いますが、また一つ成長するきっかけを作ってくれたことには感謝ですね。
今巻では真樹の家族関係がとても重要な要素ですが、海の友好関係にも注目が。
1巻の時に登場した過去の友人と再会し、過去の清算をするとのことですが、そのエピソードはなく、結果だけだったので、短編でいいので詳しいエピソードになると嬉しいですね。
どのような会話をしてそのような結果になったのか地味に気になるので。
そして問題の真樹と海の関係ですが・・・
なんでこいつら付き合ってないの?
恋人ではないが、お互いの気持ちはわかりあっているので雰囲気は恋人のそれ。
お互いに初恋なのもあってか場所をわきまえずすぐに二人だけの空間を作りだすほど。
今巻でさらに距離が縮まった二人ですが、恋人でない状態であれなので、この先はいったいどのような空気を作りだすのか…
周囲の人物たちと一緒にニヤニヤしながら眺めていきたいです。