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あらすじ
誰にもバレず、世界を救え。
遥か未来。進化しすぎた機械生命群に支配されたとある惑星。
人類は滅亡の危機に瀕しながらも、教会が選ぶ《予言の英雄》に生存圏拡大の希望を持っていた。
一方、幼い頃より英雄に憧れていた青年レリン=クリフィスは、誰もが認める優秀な圏外探索者だったが英雄には指名されずやさぐれていた。
人生の目標を失っていたレリンだったが、本来敵であるはずの機械の少女・ウルと出会い衝撃の事実を聞かされる。
なんと、ウルは人類がやがて絶滅するという未来を知っており、それを救えるのはレリンだけだというのだ!
レリンは彼女と行動をともにし始めるが、その先には想像を絶する困難が待ち構えていた──
おすすめ度:★★★★
感想
相変わらず救いがあるようでない作品。
今回はSF色がちょっと強めのファンタジー作品で、滅びかけた世界を救う話なのですが、、、蓋を開けてみたら人類もう詰んでる。。。
そんな”希望”の無い世界で”英雄”というただ一つの”希望”にあこがれた青年が挫折し、傷だらけになりつつも”唯一の希望”を求めて人知れず奮闘していく物語。
戦闘シーンは細かい描写で書かれており、逆にそのせいで設定の部分で説明不足になっている部分も…恐らくそんな部分も今後の布石だったりどんでん返しの1つとして使われたりとするはずなので、今後に期待。
”表”の英雄がどの程度活躍するかはわからないが、だれにも知られず、すべてを成し遂げたらそれこそ”英雄”と誇れるのではないだろうか?
ラストにどのような”悲劇”が待っているかはわからないが、続巻を希望する作品です。
周囲を敵に囲まれ、1か所に引きこもって最期を待つという絶望の中、ほんの小さな区画であっても生活圏を広げるという偉業を成し遂げた”英雄”を父に持つ主人公が”英雄”を憧れるのは常である。
一応作中では『予言の英雄』と呼ばれる『教会』が”選ぶ”英雄がいるらしいが、選ばれた人物達の印象は発展途上と言っていいものだし、そもそも英雄というのは”自然と呼ばれる”ものであって”選ぶ”ものではないと思うが、件の『教会』がどのような選考基準で”英雄を選んだ”かはしっかりとは明かされていないが、何かしらの思惑は付きまとっていると予想はできる。
そして、英雄に憧れ、”選ばれなかった”主人公が出会ったウルという名のヒロインだが、そもそも彼の父親は主人公に本当は何を見せたかったのか、そして、何を思って武器や地図を遺したのか、ここに関しても今後何かしらの展開があるはず。
ウルと出会ったことで”運命”が動き出し、反逆ののろしを上げることになったのだが、いかんせん戦力差が大きすぎて絶望が…
教会が保持していると言っている『予言』がどこまで記されているのかわからないが、ウルが提示した予言と言動が”外している”ことを考えると『確定』している未来が書いてあるだけで結末は書いてないと予想。
ウルの持っている『予言書』に関しての秘密は明かされたが、今後役に立つかは微妙なところ。
重要なところが文字化けされていたことから時間経過とともに『確定』している部分が開示されていくと考えると頭を抱える展開が待っていることは容易に想像がつく。
1戦ごとに主人公がボロボロにされるのは様式美か?
理不尽に対してコンマ何パーセントの確立の綱渡りをしている巻はとてもひりひりし、戦術戦略運様々なものを酷使する姿はいつ読んでも心が躍ります。
今後は武器が増えるのか、それとも単純に自分のやれることが増えるのか、今後の成長が楽しみな主人公。
『教会に選ばれた英雄』サイドに関して言えば、現状では恐らく実力不足。
選ばれた選考基準がわかっているだけで現時点での『才能のハイエンド』ということのみ。
ただ、”英雄”となった人物のほとんどが主人公のことを知っているはずなのに何の感情も抱いていなさそうなのはどうなのか?
教会に選ばれた英雄ということで気分が高揚しているのか、それともそもそもそういう感情を抱いていないのか、はたまた自分が”選ばれた”という優越感に浸っているのか…
なんにしろ、英雄に対して敵対している組織があるという事実が判明している時点でどこかおかしな部分があるはず。
実際、この選ばれた英雄がどれほどの強さなのかについては全く公開されていないので、今後彼らの実力が発揮される展開があるのかはわかりませんが、その時が楽しみですし、教会の”秘密”についても深堀されるのを今か今かと待っています。
傷だらけの主人公は今後どのように世界を救ていくのか…
続巻が楽しみな作品です。